研究課題
基盤研究(C)
紅藻やシアノバクテリアは光合成色素(フィコビリン)や光センサー(フィトクロモビリン、フィコシアノビリン)としてビリン化合物を用いている。これらは、ヘムの酸化的還元によって生じるビリベルジンIXα(BV)を経て、フェレドキシン依存性ビリン還元酵素(FDBR)とよばれる一連の酵素ファミリーによって合成される。これらの酵素には、フェレドキシンが還元力を供給する。PcyAはFDBRファミリーに属する酵素で、BVからフィコシアノビリンを合成する。BVはAからDの4つのピロール環を持つが、PcyAはまずD環側鎖のビニル基を還元し、つぎにA環を還元する。PcyAの逐次2段階反応の分子機構を明らかにするため、PcyAの一段階目の反応生成物を有機化学的に合成し、これとPcyAとの複合体の結晶構造を決定した。この構造から逐次2段階反応に関与しているアミノ酸残基が浮かび上がり、部位特異的変異の結果もあわせて、分子機構の解明に迫っている。γ-グルタミルトランスペプチターゼ(GGT)はバクテリアから哺乳類まで幅広い生物に存在する酵素で、グルタチオンをはじめとするγ-グルタミル化合物の代謝で主要な働きを担っている。アザセリンおよびアシビシンはGGTの阻害剤として古くから知られているが、これらがGGTのどの部位にどのように結合するかは不明であった。GGTと阻害剤との複合体の構造を結晶解析で決定し,GGTの活性残基にのみ阻害剤が結合し、しかも予期してなかった様式で結合していることを明らかにした。
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