研究課題/領域番号 |
18570155
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
原田 一明 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物情報解析研究センター, 主幹研究員 (20357817)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,020千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 420千円)
2007年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 生体高分子 / 蛋白質 / X線 / 生体分子 |
研究概要 |
タンパク質結晶の相転移をX線回折によって調べ、相転移前後の結晶構造を原子分解能で解析して構造変化を比較し、更に分子運動の解析を行ってそのメカニズムを明らかにすることを目的として以下の研究を行った。 (1)リゾチーム単斜晶系結晶の脱水による相転移を解析するため、溶媒として重水を用いて、高分解能解析が可能な2種類の単斜晶系結晶を得た。ナトリウムイオンの影響を調べるために、typeIIの結晶について、イオン濃度の異なる条件で高分解能結晶を作成することができた。 (2)リゾチームの2種類の単斜晶系結晶の脱水による相転移をX線回折像の経時変化により比較したところ、いずれの場合も中間状態を経由して相転移が進行するものの、typeIIの結晶はtypeIよりも相転移が起こりにくいことが分かった。また、高濃度のナトリウムイオン存在下での結晶は相転移に非常に時間がかかるが明らかになった。 (3)typeII結晶について、相転移の前後の構造を解析して、type Iの場合と比較したところ、type Iの結晶では、相転移によりナトリウムイオンが外れているのに対して、type IIの場合は、相転移の前後の構造において、いずれの場合もナトリウムイオンが結合していた。しかしながら、高濃度のナトリウムイオン存在下での結晶は、転移によりナトリウムイオンが外れることから、ナトリウムイオンが構造変化と相転移を制御していると考えられる。 (4)低分解能解析データを用いて、分子運動を解析することを目的として、等方性温度因子を用いる分子運動の解析方法を検討し、擬似異方性温度因子を用いる方法を開発した。有効性を調べるために200以上の構造データを用いて異方性温度因子を用いる場合との比較を行い、定性的には良好な結果が得られた。これを、相転移前の結晶構造に適用して分子運動を解析することによって相転移による分解能向上の構造的要因が明らかになった。
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