研究課題/領域番号 |
18570158
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小村 潤一郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10215410)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,850千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 450千円)
2007年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | クロマチン構造 / 遺伝子活性 / 遺伝子 / 発現制御 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
M期(細胞分裂期)には、すべての遺伝子の転写が停止し活性プロモーターのクロマチン構築も失われるが、M期の前に活性であった遺伝子はM期後に転写を再開する。インスレーターはふたつの遺伝子間を機能的に遮断する染色体上の装置であり、各遺伝子の安定した発現状態の維持(M期前後の状態を含めて)に寄与していると考えられる。本研究では、インスレーターのM期におけるクロマチン構築を検討した。 HeLa細胞のc-MYC遺伝子上流のインスレーター領域について、(a)サザン法によるDNase I hypersensitive siteの解析、(b)in vivoフットプリント法によるクロマチン微細構造の解析、(c)クロマチン免疫沈降法による転写調節因子CTCFの結合の解析を行った。その結果、M期においてはこのインスレーターから、転写調節因子の結合が失われていること、また、ヌクレオソームの配置状況を含めて検出可能なクロマチン微細構造上の特徴の一切が失われていることが明らかになった。すなわち、各遺伝子の安定した発現状態を保障するための装置であるインスレーターの構築が、M期には一旦解体され、M期終了後に再建されるという意外な事実が示された。 本研究および研究代表者の以前の研究を総合すると、プロモーター、インスレーターなど染色体上の転写関連の各種装置のG2期に存在する構築は、M期にはすべて失われ、G1期に再建されていると考えられる。各遺伝子の活性状態に関するエピジェネティックな情報の保持は、M期においては、各種装置の立体的構築や転写調節因子の結合などではなく、むしろDNAやピストンの化学修飾などに依存していることが示唆される。
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