研究課題/領域番号 |
18570168
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
凌 楓 独立行政法人理化学研究所, 吉田化学遺伝学研究室, 先任研究員 (70281665)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,020千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 420千円)
2007年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | DNA二本鎖切断 / Saccharomyces cerevisiae / 相同DNA組換え / ローリングサークル型DNA複製 / コンカテマー / ホモプラスミー / ヘテロプラスミー / DNA修復 |
研究概要 |
ミトコンドリアDNA(mtDNA)のコピー数は細胞がおかれている生理条件に応じて増減することが知られているが、その制御機構については不明な点が多い。出芽酵母においてmtDNAの複製は主に相同組換えを介したローリングサークル型複製に依存し、その開始は複製開始点での二本鎖切断によることをこれまでの研究によって明らかにしてきた。 本年度は前年度に引き続き、ローリングサークル型複製による欠失変異mtDNAの優勢複製を抑制し、mtDNA複製開始点での二本鎖切断の生成を一定レベルに抑える機能をもつ蛋白質、Imrlについて解析を行った。Imrlの局在を調べるために、Imrlを過剰発現させた細胞からミトコンドリアを単離し、前年度に作製したImrlに特異的な抗体を用いてウェスタンブロットを行った。その結果、発現させない細胞と比較してImrl由来のシグナルが顕著に増加した。このことから、Imrlはミトコンドリアに局在していることが考えられる。また、サザンブロットによる定量解析でmtDNAコピー数を調べたところ、欠失変異mtDNAを持つ細胞においてImrlを過剰発現させると過剰発現させない細胞と比較して、mtDNAコピー数が5分の1程度まで顕著に減少することが判明した。さらに、二次元電気泳動で欠失変異mtDNAの分子種について調べたところ、Imrlを過剰発現した細胞では、直鎖状多量体(ローリングサークル型複製の中間体であり、単位長さのmtDNAが直列に連結したmtDNA分子種)、及び環状多量体の合成量が顕著に減少することを明らかにした。 本年度の研究成果を通して、Imrlがミトコンドリアにおける相同組換えを介したローリングサークル型複製を抑制する機能をもつ因子として同定することに成功した。また、Imrlの過剰発現がローリングサークル型複製に依存する欠失変異mtDNAの優勢複製を抑制するという観察事実に合理的な解釈を与えた。
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