研究課題/領域番号 |
18570175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
久保田 広志 京都大学, 京都大学再生医科学研究所, 助教 (80332724)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,020千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 420千円)
2007年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | CCT / 分子シャペロン / フォールディング / ポリグルタミン病 / タンパク質凝集 / 神経変成疾患 / βシート / 基質特異性 / RNAi / 神経変性疾患 / 蛍光相関分光法 / 蛍光エネルギー共鳴 / 蛋白質凝集 |
研究概要 |
細胞質シャペロニンCCTは、ヒトを初めとする全ての真核細胞においてタンパク質のフォールディング(折りたたみ)を介助する重要な分子である。CCTは、8種類ものサブユニットを介した非常に複雑で巧みなシャペロン機構を持っていると予想されるが、その詳細については解っていない。そこで、本研究は、RNAi法等により細胞内のCCT機能を低下させた時どういう種類の蛋白質の新生がどのように影響受けるのかや、CCTの持つ基質特異性を明かにすることを目的として解析を行った。 我々は、まず、無細胞翻訳系PURE systemを用いて、細胞質シャペロニンCCTが、インビトロにおいて、βシートに富んだ基質タンパク質を特異的に認識し、その凝集を抑えることを見いだした。さらに詳細な解析から、CCTは、大腸菌ホモローグであるGroELとは異なる基質モチーフすなわち疎水性βストランドを特異的に認識し、基質タンパク質のプロダクティブ・フォールディングを促進する分子シャペロンであると考えられた。 さらに、細胞内においても、RNAi法によるノックダウンや、強制発現の実験系を用いることより、CCTには、βシートを介して凝集することが知られているポリグルタミンの凝集と毒性を抑制する効果があることをも見出した。この時、CCTは、凝集初期の小さな可溶性凝集体に作用するものと考えられた。 よって、CCTには、疎水性βシートのような凝集しやすいタンパク質フォールディング中間体に作用して、その凝集を防ぐことによりフォールディングを介助すると共に、凝集タンパク質が示す細胞毒性を阻止することにより細胞を保護する働きがあるものと考えられる。
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