研究課題/領域番号 |
18570198
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
東 雄二郎 大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (30181069)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,110千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 510千円)
2007年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | δEF1 / SIP1 / ZFHX1ファミリー / ノックアウトマウス / マウス胚発生 / 神経 / ニワトリ / TGFβファミリーシグナル / 体節 / Smad / BMP |
研究概要 |
δEF1(δ-crystallin enhancer factor 1)とSIP1(Smad interacting protein 1)は、共にCACCT配列に結合するzinc fingerをN末とC末に有し、中央にはhomeodomainを持つDNA結合タンパク質であり、zfhx1ファミリー転写制御因子を構成する。マウス胚発生過程において、神経管や体節、筋節などの未分化な領域ではSIP1が、より分化した領域ではδEF1が発現している傾向がある。またE7.5でのneural ectodermや、cranial ganglionでは重なり合って発現している。そこで私たちは、zfhx1ファミリー転写制御因子全体としての機能について明らかにするために、δEF1/SIP1二重ノックアウト(KO)マウスを作製し、δEF1、SIP1それぞれ単独のKOマウスの表現型と比較した。SIP1単独のKOマウスでは神経管が閉じず、前体節中胚葉が伸長し、それに伴い小さく、いびつなsomiteが形成される。さらにδEF1の変異を導入したδEF1-/-;SIP1-/-KOマウスでは、δEF1、SIP1単独のKOと比べて、将来前脳になる領域において、neural ectodermとnon-neural ectoderm境界が不明瞭になり、さらにSox2の発現量が減少するといったことが観察された。これらの結果は、δEF1とSIP1が共に重なり合った、もしくは協調的な役割を果たしていることを示している。ここで明らかになったこのような両因子の機能はマウスに特異的なことなのか、あるいは種を超えて普遍的なものなのかを検討するために、私たちは新たにニワトリのSIP1cDNAをクローニングし、すでに単離されていたδEF1と共に、まずそれらの発現パターンを発生段階を追って経時的に観察した。その結果、マウスで見られたように、SIP1が主に神経組織に比較的強く発現し、δEF1は体節などの中胚葉で発現が観察されたがその他の組織においても弱い発現が観察された。しかしながら、例えば脊索での発現はマウスと異なり、SIP1が発現しておりδEF1の発現はほとんど観察されなかった。このことはδEF1とSIP1の機能的役割が必ずしも保存されていないことを示している。この点に関して現在さらに検討しているところである。
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