研究課題/領域番号 |
18570214
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
進化生物学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
稲垣 祐司 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (50387958)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 公子進化 / 真核生物系統 / 連結データ解析 / クロミスタ仮説 / 葉緑体 / 分子進化 |
研究概要 |
クロミスタ仮説に基づくと、不等毛植物類・ハプト藻類・クリプト藻類は単系統であり、これらの生物群の共通祖先でクロロフイルa+cタイプ葉緑体を獲得したと考えられる。ところが、現在までの核遺伝子配列をもちいた分子系統解析は、ハプト藻類・クリプト藻類との姉妹群関係は極めて強く支持されているが、そこに不等毛植物類が近縁となるかどうかは不明である。 カタブレファリス類はクリプト藻類と近縁であると考えられているが、今日までそれほど多くの遺伝子配列は報告されていない。現在2種のカタブレファリス類培養株を購入・培養し、各種遺伝子列の取得を行っている。研究計画ではカタブレファリス類cDNAライブラリーを作成し、網羅的遺子探索を行う予定であった。しかし、現在のところカタブレファリス類培養サンプルから、その餌となるハプト藻類細胞を排除しきれず、cDNAライブラリー作成には至っていない。しかし、タンパク質合成に関わる翻訳伸長因子2 (EF2)と翻訳伸長因子1α様(EFL)タンパクをコードする遺伝子を単離した。これまでハプト藻類・クリプト藻類との姉妹群関係は、複数遺伝子配列に基づく連結データ解析のみで復元されているが、興味深いことにEF2解析ではカタブレファリス類+ハプト藻類+クリプト藻類の単系統性が極めて明瞭に復元され、されに植物(紅藻類・緑色植物類)との近縁となることが分かっている。これは上記3生物群が共通祖先をもち、その祖先生物に植物類からの遺伝子水平移動が起こったと解釈できる。一方EFL解析では、カタブレファリス類は、ハプト藻類ともクリプト藻類とも近縁性を示さなかった。これは、3生物群が分岐した後独立かつ水平的にEFL遺伝子を獲得したことを示唆する。
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