研究課題/領域番号 |
18580003
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
育種学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
草場 信 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (20370653)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,010千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 510千円)
2007年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | イネ / 胚発生 / 突然変異体 |
研究概要 |
イネの胚におけるパターン形成のメカニズムを研究するため、multiple shoot1 (msh1)の解析を行った。msh1は腹側に分化する1対のシュートと根のほかに、背側にも1対のシュートと根を分化していた。ただし、背側のシュートは未完成であることがほとんどで、シュートが形成されないこともあった。msh1の胚発生過程を観察したところ、受粉後7日目までは明確な異常を示す個体は見られなかったが、受粉後10日目には成長の遅延がみられた。受粉後13日目になると背側領域が拡大している個体も現れたが、異所的な幼根やシュートは形成されていなかった。これより、msh1では受粉後10日目までに発生の遅延が起こり、それに続いて背側領域が拡大し、その場所で本来の器官よりも後に異所的な幼根とシュートが形成されると考えられる。パターン形成突然変異体の多くは発生の初期からパターンが異常になるが、msh1-1正しい位置に器官を分化した後に異所的に器官が形成されると思われるため、新しいタイプの突然変異体と言うことができる。 msh1-1の種子を無菌培地に置床すると、約半数の個体は発芽せず、発芽した個体は1本のシュートと1、2本の根を出した。発芽した個体の成長は遅く、シュートはアルビノ様であった。成長するにしたがい徐々に緑色に移行していったが、草丈は大きくても5cm程度で、多数の短い葉を分化し叢生になった。葉は、特に幼少期において葉鞘と葉身の境界が不明瞭になっていることが判明した。 msh1の原因遺伝子を単離するため、マップベースクローニングを試みた。その結果、MSH1は8番染色体の動原体付近に座乗することが判明したが、この付近では遺伝的組換えが非常に起こりにくく、遺伝子単離は実現できていない。
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