研究課題/領域番号 |
18580096
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用生物化学
|
研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
大西 素子 中部大学, 応用生物学部, 准教授 (00312653)
|
研究分担者 |
永井 和夫 中部大学, 応用生物学部, 教授 (00011974)
禹 済泰 中部大学, 応用生物学部, 教授 (20272693)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,850千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 450千円)
2007年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | プロテインホスファターゼ / 破骨細胞 / 破骨細胞分化因子 / RANKL / プロテインホスファターゼ2C |
研究概要 |
申請者らは、破骨細胞分化因子であるRANKLの受容体RANKを安定的に発現する293-RANK細胞を樹立し、これまでにRANKLによって上昇するp38およびNF-κBの活性が、PP2Cβおよびεを発現することによって抑制されることを明らかにした。本年度はさらに検討を行った結果、以下のことを明らかにした。 1まず、p38と同様RANKLによって活性化されるMAPキナーゼに対するPP2Cβとεの作用を検討したところ、PP2CβおよびεはJNKの活性化を抑制するものの、ERKの活性化には影響を与えないことが明らかとなった。また、p38上流に位置するMKK6と、さらにその上流でMKK6を活性化するTAK1に対する影響を検討した結果、PP2Cεまたはβの発現によってどちらも抑制されることがわかった。 2RANKL存在下で培養すると破骨細胞様多核細胞に分化することが知られているRAW264細胞にPP2CβのsiRNAを導入し、RANKL存在下で培養したところ、破骨細胞の分化マーカーとして知られる酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(TRAP)の活性および多核細胞数がコントロールに比べて増加した。即ちPP2Cβの抑制により破骨細胞分化が促進することが明らかとなった。 3申請者は、PP2Cβ欠損マウスが胎生初期で致死となることを見出したため(Mech Dev.,2007)、PP2Cβ遺伝子ヘテロ欠損マウスの大腿骨及び頚骨から得られた骨髄細胞を破骨細胞に分化誘導し、検討を行った。その結果分化後の骨髄細胞のTRAP活性は、9組中8組で野性型の兄弟よりもPP2Cβヘテロ欠損マウスの方が高かった。 以上の結果より、PP2Cβは破骨細胞分化を抑制的に制御する生理的な機能を持つと考えられ、本研究の遂行によって骨代謝の新規制御機構が明らかとなった。
|