研究課題
基盤研究(C)
糖タンパク質は、細胞増殖、がん化など重要な生命現象に深く関与している。その機能解明を進めるためには化学構造が明確な糖タンパク質が必要である。そこで、我々は糖タンパク質の効率の良い化学合成法を用いて均一な糖タンパク質を合成し、その機能の解明を推進しようと考えている.本合成法に残されている問題の一つは、合成糖タンパク質のフォールディングについてである.これまで合成してきた糖タンパク質については、フォールディングの不具合が推定された.本研究では、より大きな糖鎖を持つ糖タンパク質を合成し、フォールディングさせることにより、立体構造形成における糖鎖の影響を解析することとした.まずペプチド鎖に導入する11糖を持つ糖-Asnユニットの合成を行った。その結果、高純度の目的物を得ることに成功したが、量的に十分ではなく、これをペプチド合成に利用することは断念した.そこで、市販の9糖ユニットを用いて.これまでにフォールディングの不具合が推定された2つの糖タンパク質の合成を行った.その結果、糖鎖を延長しても目立ったコンフォメーションの変化はないことが明らかとなった.さらに9糖付きのケモカイン(CCL27、アミノ酸95残基)の合成も行った.ジスルフィド結合形成と同時にフォールディングを行ったところ、天然と異なるジスルフィド結合を持つCCL27が主生成物として得られた.糖鎖の影響をさらに調べるため、単糖付きおよび、糖なしのCCL27も合成したところ、単糖付きは9糖のものと同様の結果であった.一方糖なしのCCL27は、天然のジスルフィド結合型が主生成物であった.CCL27についても糖鎖の長さによるコンフォメーションの変化はなく、糖鎖の有無によって大きくポリペプチドのフォールディングが影響を受けるという結果を得た.
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