研究課題/領域番号 |
18580160
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林産科学・木質工学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
関野 登 岩手大学, 農学部, 教授 (30171341)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 木質小片 / 断熱材 / 蓄熱性 / 耐火性能 / 熱伝導率 / 熱拡散率 / 内部結露 / 蒸発潜熱 / 木質小片断熱材 / ISO加熱曲線 / 準耐火構造 / 燃焼挙動 / 炭化層 / 燃焼生成水分 |
研究概要 |
本断熱材(木質小片断熱材:商品名"サーモカール")は、岩手県内の木材プレカット企業との共同研究で実用化を進めている。科学研究費補助金による本研究では、実用化に必要な技術的検討課題のうち、火災時の延焼挙動の把握と防火施工技術の開発、蓄熱性に起因する保温効果の検証に焦点を絞り、以下の知見を得た。 1)木質小片断熱材は被覆材、小片ともに可燃性であり、開発当初より防火性が懸念されてきた。そこで、まず、小型試験体を用いてJIS A1321に規定された表面燃焼試験機による加熱試験(ISO834の加熱曲線に準拠)を行なった結果、グラスウールより遮熱効果が大きいことが明らかとなり、その遮熱効果は炭化層の形成に加え、フィルム被覆による燃焼生成水分の残存により発現することが分かった。これを実大レベルで確認するため、実大厚さのモデル壁体を用いてISO834に準拠した加熱試験を行った。その結果、小型試験と同様の遮熱効果が検証され、耐火45分の準耐火構造となる可能性が示唆された。 2)本断熱材の熱伝導率は高性能グラスウールの約1.6倍であるが、温度非定常下の保温性指標である熱拡散率はグラスウールの値の約半分となる。つまり、両断熱材が同一熱抵抗で住宅に施工された場合、木質特有の蓄熱性に起因する保温効果の優位性が期待できる。そこで、小型の実験住宅を用いて外気温の変動に対する室内気温の変化を調べた結果、夏季冷房時および冬季暖房時の両方で、グラスウールによる断熱施工よりも保温効果に優れることが検証された。さらに、厳冬季に本断熱材の両表面温度差が約20℃となる条件(低温側表面温度は約0℃)においても、断熱材低温側表面に結露発生は認められなかった。
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