研究課題
基盤研究(C)
ベータノダウイルスはRNA1(RNA複製酵素をコード)およびRNA2(外被タンパク質をコード)をゲノムとする魚類ウイルスで、海産魚のウイルス性神経壊死症の原因体である。本研究では、リアソータントウイルスを用いた感染実験およびノーザンハイブリダイゼーション実験により、本ウイルスの温度感受性がRNA1およびRNA2の両方に制御され、温度はこれらウイルスRNAの複製に大きな影響を与えることを突き止めた。また、RNA1を単独で培養細胞に導入する実験の結果、RGNNV(高温適応ウイルス)のRNA1は25および30℃で複製可能であるが、SJNNV(低温温適応ウイルス)のRNA1は30℃では全く複製を示さないことから、RNA1はRNA2との相互作用無しでも温度感受性を支配できることが判明した。そこで、RNA1のどの領域が温度感受性決定に必要かを同定するため、RGNNVのRNA1の1部をSJNNVの相当部分と交換したキメラRGNNVウイルスを9種作製し、25および30℃での増殖性を検討した。その結果、RNA1の84-1419番目の塩基(複製酵素の1-445番目のアミノ酸をコード)が温度感受性決定に重要である事が判明した。この領域には酵素の活性ドメインは存在せず、ミトコンドリア膜への酵素の結合部位が含まれることから、膜への結合状態あるいは酵素の立体構造が温度の影響を受けることが示唆された。一方、SJNNV、RGNNVおよびリアソータントウイルスの粒子は30℃でも同様な安定性を示し、またこれら粒子の培養細胞への結合には温度は影響しないことから、RNA2が如何に温度感受性を左右するかは今後の検討課題である。
すべて 2008 2007 2006
すべて 雑誌論文 (20件) (うち査読あり 10件) 学会発表 (27件)
Dis. Aquat. Org. (In press)
120001049000
Fish Pathol. 43
ページ: 19-27
Dis. Aquat. Org (in press)(peer reviewed)
Fish Pathol 43(peer reviewed)
10021214757
Fish Pathology 43
Diseases of Aquatic Organisms 79(In press)
Fish Pathol. 42
ページ: 225-228
Dis. Aquat. Org. 77
ページ: 119-125
Sufficiency Economy Philosophy for the Sustained Development of Fishery and Agriculture 6
ページ: 303-319
Fish Pathol 42(peer reviewed)
130000065717
Dis. Aquat. Org 77(peer reviewed)
120007124096
Sufficiency Economy Philosophy for the Sustained Development of Fishery and Agriculture (Kasetsart University, Thailand) (not peer reviewed)
Fish Pathology 42
Diseases of Aqualic Organisms 77
Proceeding of JSPS-NRCT Innternational Symposium 6
Innovative Technology for the Sustained Development of Fishery and Agriculture 5
Innovative Technology for the Sustained Development of Fishery and Agriculture (Kasetsart University, Thailand) 5(not peer reviewed)