研究課題
基盤研究(C)
植物による物質生産は非常に巧妙にコントロールされ、ミクロの空間で進行する精密細胞工場と言うことができる。本研究課題では従来合成化学を基盤として生産されている工業製品や医薬品の原料を植物の持つ、この物質生産能を用いて高生産させることを目的とした。遺伝子導入や細胞選抜、ストレス応答法により新たに代謝機能を構築・誘導し、選抜したエリート細胞を用いて、有用有機物質の生産を行うための基礎的開発を行った。その内容を以下に記す。1.ビート毛状根による有機液晶原料となるp-HBAの生産Ferulic acidをvanillinに変換するバクテリア由来のHCHL遺伝子を導入したクローンから、遺伝子を高発現したものについて、生産物を分析し、p-HBAの配糖体を乾燥重量当り約14%生産するエリートクローンを選抜確立した。2.ヅボイシア毛状根による医薬品であるscopolamineの生産Hyoscyamineをscopolamineに変換する植物由来のH6H遺伝子を導入したクローンから高scopolamine生産クローンを選抜した結果、95%以上がscopolamineとなることを見出した。3.ハマボウフウ培養組織による医薬/工業用原料であるocoumarin類の生産1)ストレスで始めて誘導されるfuranocoumarinは酵母エキス処理では培養葉で生産が確認できた。2)AsA処理で培養根と葉の両者で顕著にfuranocoumarinの生産が誘導され、根での誘導の始めての例となった。4.ヒヨス毛状根によるビタミンB_2の生産鉄欠乏下で培養したときにヒヨス毛状根により誘導されるビタミンB_2の生産が、根端の太さと数に依存することを見出し、高生産するエリートクローンを選抜した。
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