研究課題/領域番号 |
18580292
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
保田 昌宏 宮崎大学, 農学部, 助教 (10336290)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 反芻動物 / 二次リンパ器官 / 一次リンパ器官 / リンパ濾胞 / B細胞 / 抗体遺伝子 / レセプターエデイテイン / 空腸パイエル板 / 回腸パイエル板 / レセプターエデイテイング / 多様性 |
研究概要 |
反芻動物では空腸および回腸領域にパイエル板があり、前者が局所免疫を担う二次リンパ器官で、後者はB細胞が分裂増殖する一次リンパ器官であるとされている。ヒトやマウスでは、骨髄がB細胞の一次リンパ器官であり、そこでは、自己反応性B細胞はレセプターエデイティング機構によって回避されることが知られている。反芻動物でもパイエル板で産生されるB細胞の中には自己反応性B細胞が出現すると考えられているが、回避機構については明らかにされていない。そこで、回腸パイエル板から単離したリンパ濾胞内の免疫グロブリンλ軽鎖の可変領域の解析を進めた。さらに、免疫グロブリン可変領域をコードする遺伝子断片の組み換え、突然変異や塩基対の挿入に関与する遺伝子(RAG1,RAG2,TdTおよびAID)の発現も観察した。その結果、ヒツジ回腸パイエル板においても、レセプターエデイティング機構が起こっていることを示唆する結果が得られた(投稿中)。これらの研究内容は、第13回国際免疫学会や第8回国際獣医免疫学シンポジウムで口頭発表演題として採択された(学会発表参照)。次に、ウシの空腸および回腸パイエル板の単離リンパ濾胞を用いて、これらのリンパ濾胞の機能差を解析するために、13種類のサイトカインの発現を調べた。その結果、免疫グロブリンのクラススイッチに関するサイトカインが回腸パイエル板で検出できなかった。つまり、空腸と回腸にあるパイエル板リンパ濾胞内ではB細胞の機能や成熟度に差があると考えられる(投稿中)。さらに、ウシの一次リンパ器官である回腸パイエル板内を肉眼解剖学および組織学的に精査し、一次リンパ組織内に二次リンパ組織と非常に類似した部位があることも発見し、論文として発表した(J Vet Med Sci70巻9月号に掲載予定)。また、牛の口蓋扁桃や咽頭扁桃の個体発生を免疫組織化学的に解析し、一次リンパ器官である回腸パイエル板のそれと比較し、論文として発表した(Comp Immun Microbiol Infect Dis2006;29:279-293)。
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