研究課題/領域番号 |
18590034
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
中馬 寛 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20304545)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,890千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 390千円)
2007年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 分配係数 / log P / 非経験的分子軌道法 / 疎水相互作用 / チトクロームP450 / HIV-1プロテアーゼ / 定量的構造活性相関 / 電荷移動 / logP / HIV-1-プロテアーゼ / サポートベクターマシン |
研究概要 |
薬物分子とその標的タンパク質との結合に伴う結合自由エネルギー変化に分配係数等の疎水性因子と電子的因子が影響することをすでに報告してきたが、本研究では薬物-タンパク質相互作用エネルギーの電子的寄与と疎水的寄与に着目し、チトクロームP450(CYP)、HIVプロテアーゼ、脱炭酸酵素等を対象として実験、分子軌道法計算に基づく定量的構造活性相関(QSAR)解析をおこなった。以上の分子軌道法計算に基づくQSARの創薬への応用を考えるとき、阻害剤の大規模スクリーニング、副作用や動態など薬物-タンパク質相互作用解析からは得ることが困難な情報を得るための研究も重要となる。この目的のためにケモ・バイオインフォマティクスによる研究をあわせて行った。 上記タンパク質-阻害剤については、これまでにQSAR等による解析等がすでに報告されている。一連の阻害剤とタンパク質との複合体「まるごと」の電子状態解析によって、阻害剤-タンパク質間の電子の動きや阻害剤と特定残基間の疎水相互作用などのより詳細な情報を得ることを本研究で可能とし、この結果、疎水相互作用の詳細と電荷移動の重要性を明らかにした。Support Vector Machine等の情報化学的手法を用いて坑うつ剤、リポキシゲナーゼ、CYPの阻害剤の大規模スクリーニングを行い、良好な正答率が得られることを示した。バイオパスウェイの動態解析を系統的に行うためのソフトウェアを開発し、アポトーシスシグナル伝達経路の詳細な動態解析からその制御メカニズムを明らかにした。 今後、本研究で得た上記の成果を基に、分子科学計算・シミュレーションによる電子・原子レベルでの薬物-受容体間相互作用に基づくQSAR解析からケモ・バイオインフォマティクスによる分子・プロテオームレベルでの解析までを視野に入れた研究をさらに展開する予定である。
|