研究課題/領域番号 |
18590049
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
守田 雅志 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (20191033)
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研究分担者 |
今中 常雄 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (50119559)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,880千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 480千円)
2007年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 副腎白質ジストロフィー / ペルオキシソーム / ABCタンパク質 / コレステロール / 極長鎖脂肪酸 / ABCD1 / 脂肪酸β酸化 / グリア細胞 / マクロファージ |
研究概要 |
ペルオキシソームはすべての真核生物に存在するオルガネラで、脂質代謝において重要な役割を担っている。ペルオキシソーム病で最も患者数の多い副腎白質ジストロフィーALDはペルオキシソーム膜ABCタンパク質であるABCD1の機能不全により引き起こされる。本研究ではABCD1遺伝子をノックダウンしたグリア細胞株やマクロファージ系細胞を調製し、脂質代謝、特にコレステロール代謝系への影響について検討した。 (1)グリア細胞株ではABCD1機能減少により、ペルオキシソームの極長鎖脂肪酸β酸化活性の減少が認められた。また、[1-14C]リグノセリン酸のコレステロールエステル画分及びヘキサコサン酸(C26:0)への取り込みはABCD1ノックダウン細胞で有意に増加していた。一方、[14C]酢酸で代謝ラベルすると、ラノステロール画分への取り込みが増加し、コレステロール画分への取り込みに減少が認められた。さらにコレステロール含量の低下が確認された。以上のことからグリア細胞株におけるABCD1の機能と極長鎖脂肪酸及びコレステロール代謝には密接な関連性があると推察された。 (2)THP-1マクロファージにおいてABCD1をノックダウンし、コレステロール代謝への影響を調べた結果、コレステロールの細胞内への取り込みの減少、ApoA1依存的なコレステロール排泄の亢進、ApoEの細胞外への排泄の増加などが認められた。このことから、マクロファージ系の細胞では、ABCD1の機能欠損により細胞外へのコレステロールの排泄が亢進していると推察された。 ABCD1機能減少が、どの様にコレステロール代謝と関連しているかについては今後さらに検討が必要であるが、本研究では、神経グリア細胞のペルオキシソームの代謝が細胞全体のコレステロール代謝の恒常性の維持に関与している可能性を示した。
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