研究課題
基盤研究(C)
欠神発作の遺伝的モデルマウスであるlethargic(lh/lh)マウスおよび発作を生じないコントロール(+/+)マウス脳において、小胞体ストレスに関連する因子の変動を中心に加齢変化と併せて検討した結果より、欠神発作に重要な約割りを演じている視床において、小胞体ストレスに関連するGRP78やJNKの変化が観察されたことから、欠神発作発現により、小胞体ストレスが誘発され、それによる障害が他の部位より強いことが考えられた。本申請課題においては、細胞内ストレス因子の詳細な調節機を調べるために、培養細胞を用いた検討も計画したが、それに関しては、マウス海馬由来神経様細胞であるHT22細胞において、小胞体ストレスおよび酸化的ストレス関連因子の影響について検討した。小胞体ストレス誘発薬であるツニカマイシン(TM)は、濃度および時間依存的な細胞死が誘導された。また、TM曝露により、GADD153/C/EBP(CHOP)の発現上昇が認められたが、小胞体ストレス特異的caspaseであるcaspase-12(不活性化型)の発現は、影響を受けなかった。一方、酸化的ストレス関連因子として脂質過酸化産生物質である4-hydroxy-2-nonenal(HNE)誘発細胞死と過酸化水素(H_2O_2)誘発細胞死と比較した。HT22細胞は、HNEまたはH_2O_2処置により生存率が濃度および時間依存的に減少したが、細胞死誘導機構は両薬物では異なっており、H2O2誘発細胞死にはDJ-1、NF-κBおよびCa^<2+>濃度の上昇が関与するが、HNE誘発細胞死にはHNE付加タンパク質の生成および細胞内におけるSH基の障害が重要な役割を演ずることが示唆された。HT22細胞で認められた細胞死誘導経路を参考に今後、lethargicマウス視床における障害誘発機構を検討していく予定である。
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