研究課題/領域番号 |
18590120
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境系薬学
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
北條 博史 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (90004621)
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研究分担者 |
八幡 紋子 昭和薬科大学, 薬学部, 助教 (00384636)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,620千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 420千円)
2007年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 肝障害 / 四塩化炭素 / インターロイキン-6 / 炎症性因子 / 中皮細胞 / インターロイキン-1α / 保護タンパク質 / ヘムオキシゲナーゼ-1 / インターロイキン6 / 腹腔内細胞 / ヘムオキシゲナーゼ1 / サイトカイン / STAT3 |
研究概要 |
四塩化炭素は肝障害研究においてモデル化合物の一つとして汎用されている。我々はこれまでに四塩化炭素を腹腔や皮下に投与すると高レベルのインターロイキン(IL)-6が誘導され、経口投与では誘導されないこと、このIL-6の少なくても一部は種々の炎症性因子を介して腹腔内の主要漿膜構成細胞である中皮細胞によって産生されることを明らかにした。本研究では四塩化炭素によるIL-6の産生誘導機構並びに誘導されたIL-6による保護タンパク質の発現増強作用についてラットを用いて検討した。四塩化炭素の腹腔内投与後直ぐにIL-1α、IL-1β、tumor necrosisfactor-α、prostaglandin E_2などの炎症性因子が腹腔内で増加し同時に腹腔細胞が激減したが、この両者の変動はいずれも四塩化炭素に対する溶媒比を増加させると減弱した。この結果から四塩化炭素は膜脂質成分に作用し腹腔細胞を刺激または傷害して炎症性因子を遊離させたと考えられる。これらの炎症性因子の中でIL-1αは中皮細胞のIL-6産生能を最も高めかつ存在量が多いことから、IL-6産生に最も寄与するものと思われた。Heme oxygenase-1(HO-1)の肝臓での発現ぽ四塩化炭素の経口投与に比べ腹腔内投与により顕著に増強し、この増強は抗IL-6抗体の前処理で部分的に軽減した。したがって四塩化炭素投与により誘導されたIL-6はすでに報告されているシトクロムP450由来のヘムとともに肝HO-1を誘導することが明らかになった。Heat shock protein(HSP)72およびHSP90は両投与経路間で相違が認められなかった。HO-1は種々のモデルで組織傷害を減弱させることが知られていることから、本知見は四塩化炭素肝障害モデルを用いたデータの解析において十分考慮されるべきである。
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