研究課題/領域番号 |
18590135
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医療系薬学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
樋坂 章博 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (80420206)
|
研究分担者 |
鈴木 洋史 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80206523)
伊藤 晃成 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30323405)
高田 龍平 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90376468)
菅原 寧彦 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (90313155)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
4,010千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 510千円)
2007年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 解析・評価 / モデル化とシミュレーション / 薬物動態 / 吸収 / モデル化 / トランスポーター |
研究概要 |
経口薬は吸収の過程において腸管で代謝を受け、これが一部の薬剤の有効性が不十分な原因と考えられている。一方で、薬物代謝酵素CYP3A4の腸管での発現量は著しく低く、観察される小腸の高い代謝活性を理論的に説明することができず、またそのために経口薬の利用性や薬物間相互作用の正確な予測が難しかった。加えて、これまでに小腸と肝臓の代謝を区別して解析された薬剤の数自体が少なく、小腸における代謝研究の障壁となっていた。 以上の背景から、本研究では小腸における代謝をより正確に予測・解析するために、以下の3点の研究を進めた。最初に小腸の代謝の寄与を推定する新しい方法論を考察し、これまで小腸での代謝の寄与が不明であった複数の薬剤についてこれを明らかとした。第2に吸収時の代謝の程度と代謝酵素の活性と膜透過性の関係を速度論的に考察して新しい小腸局所動態モデルを提案し、小腸の代謝に関係するのは小腸内腔側ではなく、これまで殆ど注目されなかった小腸壁細胞の血管側膜の透過性であることを明らかとした。また、これまでに小腸代謝の寄与の推定に用いられてきた経験的モデル、Q-gutモデルとの類似性について論じた。第3に、上記の消化管腔から壁細胞、毛細血管へと至る放射方向の消化管局所吸収モデルを、胃から十二指腸、空腸、回腸、大腸へと至る上流から下流への薬剤の移動、拡散を考慮して拡張し、消化管内で自然な濃度変化を表現可能な統合的小腸吸収モデルを構築した。本モデルは基礎方程式が偏微分方程式となるが、数値計算法の1つである差分法を利用することで代謝や輸送の活性が飽和した場合の解析も可能である。本研究により消化管腔から小腸壁細胞を経て薬物が血流に移行する過程において、膜透過性と代謝とトランスポーターの活性が、代謝および利用率に影響する程度を予測する理論的枠組みが構築され、今後、体内動態の予測精度の向上に寄与すると期待される。
|