研究課題
基盤研究(C)
細胞膜裏打ちタンパク質PDZKは、これまでの加藤らの検討から、多くの薬物トランスポーターと相互作用することがin vitroで示されているが、その薬物動態制御因子としての役割は全く不明であった。本研究では、2年間に渡る研究成果を基に次の結論を得るに至った。1.PDZK1は薬物を輸送するトランスポーターであるPEPT1、PEPT2(いずれもペプチドトランスポーター)、OCTN1、OCTN2(いずれも有機カチオン/カルニチントランスポーター)の薬物輸送能に影響を与える制御因子であること。一方で、PDZK2は少なくともOCTN2の制御因子であること。2.PDZK1はPET1、OCTN2、有機アニオントランスポーターOATP1Aと、小陽吸収上皮細胞または腎近位尿細管刷子縁膜表面において共局在する一方、PDZK2は近位尿細管刷子縁膜直下でOCTN2と共局在すること。3.PDZK1が小腸の細胞膜表面におけるPEPT1、OCTN2、OATP1Aの局在に必須の因子であり、PDZK1の欠損によってこれらトランスポーターの機能および局在不全が起こること。4.低分子量GTP結合タンパク質Rab8が、PEPT1およびグルコーストランスポーターSGLT1の小腸細胞膜表面での局在に必須であり、その遺伝子欠損は栄養吸収不全を引き起こすこと。以上の知見は薬物を輸送するトランスポーターやひいてはトランスポーターによる薬物動態の制御因子としてのアダプター分子(PDZK1、Rab8)の役割をin vivoおよびin vitroで実証した初めての例であり、複数のトランスポーターが複数のアダプターを介したネットワークとして機能することを示し、今後の医薬品開発や臨床における適正使用において薬物動態を考える上での重要な知見である。
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