研究課題/領域番号 |
18590142
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
檜垣 和孝 (桧垣 和孝) 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (60284080)
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研究分担者 |
木村 聰城郎 (木村 聡城郎) 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10025710)
大河原 賢一 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30291470)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,930千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 腸神経系 / P-glycoprotein / adrenaline / clonidine / Western blot / 刷子縁膜 / trafficking / rhodamine 123 / 腸管・血管同時灌流 / 粘膜下神経叢 / 筋層間神経叢 / dibutyryl cAMP |
研究概要 |
研究代表者は、腸神経系(ENS)による薬物吸収制御に関し、網羅的な検討を進めているが、その中で、本研究課題では、近年、小腸における初回通過効果に有意な影響を及ぼすものと考えられているP-glycoproteinによる分泌に対するENSの影響について詳細な検討を加えた。ラット小腸を用いた血管・腸管同時灌流法、ラット小腸粘膜を用いたin-vitro膜透過実験、およびCaco-2細胞を用いた透過実験により、P-glycoproteinの典型的な基質であるローダミン123の透過性を検討し、P-glycoprotein活性を評価した。その結果、いずれの実験系においても、アドレナリン添加によるアドレナリン作動性神経充進時には、P-glycoproteinの輸送活性が抑制されることが示された。また、アドレナリン受容体の選択的作動薬を用いた検討により、この抑制作用には粘膜下神経叢あるいは小腸上皮細胞上のα_2受容体が関与していることが示唆された。Caco-2細胞を用いて、細胞内cAMPレベルの変動を測定したところ、アドレナリン添加により細胞内cAMPレベルの低下が示され、また、PKA阻害剤を用いることでP-glycoproteinの輸送活性が抑制傾向を示したことから、アドレナリン作動性神経亢進時に見られるP-glycoprotein活性の低下には、細胞内cAMPレベルおよびPKA活性の低下が関与していることが示唆された。さらに、ウェスタン・ブロット法により発現タンパク量を測定したところ、アドレナリン添加により、刷子縁膜上におけるP-glycoproteinの発現量が低下することが示され、輸送活性低下の直接的要因の一つであることが明らかとなった。また一方で、細胞内総発現量には変化が認められなかったことなどから、この刷子縁膜上の発現量低下は、細胞内cAMPレベルおよびPKA活性の変動を介したtraffickingの制御によるものと推察された。
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