研究課題/領域番号 |
18590235
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
土屋 浩一郎 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (70301314)
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研究分担者 |
滝口 祥令 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40163349)
玉置 俊晃 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80179879)
兼松 康久 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (90363142)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,490千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 390千円)
2007年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 亜硝酸 / フラボノイド / 電子スピン共鳴 / 一酸化窒素 / 安定同位体 / EPR / NO |
研究概要 |
1.内因性および外因性抗酸化物質による、中性環境下での亜硝酸由来NO生成の検討 亜硝酸は強酸条件下でNOを生成するが、亜硝酸の酸解離定数(pKa)が3.3であることから中性環境(pH〜7.4)では酸分解によるNOを生成しない。しかしながら、これらの還元剤のうち、フラボノイドの1つであるquercetinと鉄の1:1錯体は、微酸性〜中性環境下でも亜硝酸からのNO生成を促進することを見いだした。 2.内因性抗酸化剤による、亜硝酸との反応性に関するin vitroでの実験 亜硝酸は酸性条件下、quercetinによってNOへと還元されるのみならず、2価鉄が直接亜硝酸をNOへと還元することを見いだした。 3.内因性抗酸化剤による、亜硝酸との反応性に関するin vivoでの実験 1晩絶食させたラットに亜硝酸(3mg/kg体重)を経口投与すると血中の亜硝酸は投与5分で最大となり、その後経時的に低下するが、血中のNO濃度をニトロシルヘモグロビン(HbNO)量として電子スピン共鳴(EPR)法にて計測したところ、亜硝酸単独投与では血中NO濃度は15分後に最大となり、その後徐々に低下することが明らかとなった。 ところでin vitroの結果より亜硝酸からのNO生成はquercetinによって増大することが示されているが、絶食させたラットに亜硝酸とquercetinを併用したところ、血中亜硝酸濃度および血中NO濃度は併用による影響を受けないことが明らかとなった。一方、亜硝酸を2価鉄+quercetin(1:1)と共にラットに経口投与したところ、血中の亜硝酸濃度の有意な低下と、速やかな血中NO濃度の上昇が観察された。 しかしながら、血中HbNO濃度一時間曲線の曲線下面積を比較したところ、亜硝酸単独群と亜硝酸と2価鉄+quercetin(1:1)併用群では血中の総NO量は同等であった。 このことは、経口摂取された亜硝酸は胃粘膜から吸収され、血中でデオキシヘモグロビンと反応することでNOを生成する一方、2価鉄により亜硝酸は胃内でNOガスを生成し、これが胃粘膜から吸収されることで速やかな血中NO濃度の上昇がもたらされるが、NO生成の総量は変化しないことが判った。
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