研究課題
基盤研究(C)
(1)我々が考案したBBBキット(特開2007-166915、特願2007-54326)へ、以下の個別病態特異的プローベを作用させ、BBB病態モデルの完成を目指した。i-a)一過性虚血再潅流負荷モデル、i-b)虚血再還流ヒスタミン負荷モデル:脳浮腫モデルとして、新たに10μMヒスタミンを負荷した。ii)プリオンタンパクフラグメントPrP(106-126)によるプリオン病のBBB病態モデル。iii)Alzheimer病によるBBB病態モデル:放射性標識(^<125>I)および蛍光標識amyloid-β(1-40)と^<125>I-後期糖化反応生成物(AGE)-BSAを負荷してAlzheilner病BBB病態モデルを作成した。iv)糖尿病BBB病態モデル:30mMのグルコース添加24時間前にlow glucose DMEMの基礎培地を用いたRBEC mediumに交換することで高血糖下のBBB障害を再現した。(2)BBB病態モデルにおける薬剤の脳内移行性と血液脳関門機能(脳内移行性についてのBBB第2段階スクリーニング)。i-a)一過性虚血再潅流負荷モデルでの脳浮腫治療薬エダラボンedaravone(虚血性神経細胞死阻止薬)はBBB機能障害を阻止するが、病態下での脳内への移行は制限されたままであることが判明した(ある腫の汲み出しポンプの基質の可能性がある)。i-b)脳浮腫BBBモデルで、脳梗塞再発予防作用のあるシロスタゾールには、ヒスタミン誘発BBBタイトジャンクション障害を軽減することが明らかになった。P-糖タンパク質の機能を亢進させるデータが得られ、病態下での脳内移行性は小さいことが示唆された。ii)プリオン病のBBB病態モデルを用いて、プリオン病治療薬候補pentogan polysulfate脳内移行性の検証をしたところ、移行性の著明な亢進が観察された。
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