研究課題
基盤研究(C)
ポリADP-リボシル化の意義を明らかにするためには、ポリADP-リボシル化を受けるアクセプタータンパク質の同定が必須と考えられる。今回、我々が樹立した、PARGのノックアウト・ショウジョウバエを利用し、また、ポリADP-リボースに対するモノクローン抗体を大量調製精製してアフィニティーカラムを作成して、ポリADP-リボシル化タンパク質の単離の試みを進めてきた。しかし途中で、抽出タンパク質は簡単にカラムには結合しないことがわかり、生体内ではポリADP-リボースに結合する物質が存在しポリADP-リボースと抗体との結合を阻害する可能性が考えられた。そこでこれらの問題点を克服してポリADP-リボシル化タンパク質を単離精製する手段を開発することが必要となった。そこで陽性コントロール実験として、ヒト腎臓細胞株(293T)細胞の破砕液を用いて、in vitroでポリADP-リボシル化反応を行い、まずそれを効率的に抽出する試みを行ったところ、このような培養細胞系では、0.1%SDSを含む抽出液が最も効率がよいことがわかった。ところが、ポリADP-リボース分解酵素(PARG)の欠損変異個体であるショウジョウバエより、ポリADP-リボース抗体と反応する物質を抽出する際には、少なくとも0.5%SDSを含む抽出液を用いることでよい抽出効果が得られた。一方、SDS存在下ではポリADP-リボシル化タンパク質は抗体カラムに吸着しない。そこで抽出後、非イオン性の界面活性剤を加えてフリーのSDSの効果を除き得る事が現在予備的データで得られつつあり、これらの条件を検討して目的のタンパク質を同定したい。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (13件)
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