研究課題
基盤研究(C)
本来染色体DNA配列は安定に存在しているが、一部疾患においてはゲノム中の繰り返し配列長が増減したり、極端に増幅したりする。一例である遺伝性非ポリポーシス性大腸がん患者においてはミスマッチ修復機構が先天的に欠損しており、加齢とともにゲノム中にDNA複製エラーが蓄積し発癌に至る。一方神経変性疾患のひとつである脊髄小脳失調症(10型)では5塩基からなる繰り返し配列がそれぞれ数十〜数千コピーにまで過伸長することが報告されている(repeat expansion)。本研究においてはこれらrepeat expansionの発生メカニズムをDNA複製の観点から実験的に明らかにしていくことを目的とした。酵母細胞株の樹立とrepeat instability測定系の確立1) Dr.Tom Petesよりrepeat instabilityを測定するためのレポータープラスミドの供与を受け我々の系に導入したが、genotypeの違いのためか、安定に保持されなかった。この結果をうけ明星大学清水博士より、第2のレポータープラスミドの供与を受け細胞に導入したところこちらは安定に細胞に保持されることが判明した。2) この細胞株をもとに、チェックポイント遺伝子、DNA修復に関わる種々の遺伝子変異を導入したところ、二つの遺伝子がmononucleotide repeat expansionに関わっているとの結果を得た(投稿中)。哺乳動物細胞株の樹立とrepeat instability測定系の確立ヒトミスマッチ修復遺伝子欠損株に脊髄小脳失調症(10型)に見られる5塩基繰り返し配列を挿入したstable clone株を確立し、継代を行いrepeat instabilityの測定を試みたところ、一定の頻度でrepeat instabilityを検出した。関連して、ヒト癌細胞株中より発現異常の見られる遺伝子を抽出した。
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