研究課題/領域番号 |
18590291
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
古川 圭子 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (50260732)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,020千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 420千円)
2007年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | スフィンゴ糖脂質 / GD3 / ヒトメラノーマ / 癌性形質 / インテグリン / 細胞接着 / 細胞外マトリックス / Src family kinase / コラーゲン |
研究概要 |
本研究では、癌細胞の増殖シグナル関連分子および接着分子が、細胞膜周囲で分子複合体を形成して、両者のシグナルが収斂・増強する過程において、GD3などのガングリオシドが果す機能を明らかにすることを目的とする。 現在までに私達は、GD3発現ヒトメラノーマ細胞において、FCS刺激によりFAK、p130Casおよびpaxillinの活性化が増強され、その結果、細胞増殖および浸潤性の亢進などの癌性形質が促進されることを明らかにしてきた。本研究では、更に、接着シグナルの役割を明らかにするために、GD3発現メラノーマ細胞の悪性形質形成におけるインテグリンの役割について分子レベルで検討した。その結果、インテグリンβ1とGD3の相互作用が、細胞の増殖および浸潤性の亢進に重要であることが示唆された。また、GD3発現細胞ではI型コラーゲンに対する顕著な接着性の増強が認められ、I型コラーゲンの接着刺激により、FAK、p130Cas、およびpaxlllinのリン酸化レベルの増強が認められた。更に、GD3発現細胞の癌性形質におけるSrc family kinaseの関与について検討した結果、Yesが細胞増殖および浸潤性の増強に関与していることが明らかになった。 以上の結果より、GD3発現細胞では、細胞膜周囲において、細胞増殖因子受容体および接着分子を介するシグナルが収斂し、FAK、p130Cas、paxillin及びYesなどのシグナル分子群の活性化の増強が惹起されることが示された。今後、GD3による細胞膜近傍でのシグナル収斂の惹起メカニズムについて分子レベルで明らかにする。
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