研究課題
基盤研究(C)
ゲノム刷り込みは、一対の対立遺伝子のうち一方の親由来の遺伝子のみが発現する現象で、ヒト11p15.5領域の刷り込み破綻はBeckwith-Wiedemann症候群(BWS)や各種腫瘍と関連する。本研究では刷り込み調節の分子機構を解明するため以下の研究を行った。1.BWSにおける遺伝子異常を網羅的に解析した結果、本邦例では、H19-DMRの高メチル化が有意に低く、また染色体構造異常と原因不明が多い傾向にあることがわかった。このことから、BWS発症に関わるエピジェネティックあるいはジェネティックな異常の起こりやすさが人種間によって異なることが示唆された。2.刷り込み調節領域DMR-LIT1をプロモーターにもつnon-coding RNA LIT1は刷り込み遺伝子の発現調節に関わっている可能性がある。LIT1は父性発現する遺伝子であるため、父性11番染色体を1本保持する雑種細胞を用いて、遺伝子改変により0.2kb,1.1kb,6.6kbの短いLIT1転写物を産生する3種類の細胞(truncation細胞)を作製した。truncation細胞では、刷り込み遺伝子KvLQT1の発現がコントロールに比べ最大30倍に増加していた。non-coding RNA LIT1が刷り込み遺伝子KvLQT1の発現を調節していることが示唆された。3.新たな刷り込み制御因子を同定するため、刷り込み破綻を薬剤耐性でスクリーニングできる細胞の作製を試みた。刷り込み遺伝子Kip2の下流にIRES-neoカセットを挿入した組み換えベクターを構築し、エレクトロポレーションによりマウスES細胞へ導入した。組み換えクローンは得られなかったため、組み換えベクターの構造を改変して、さらにスクリーニングを進めている。組み換えクローンを単離したのちKip2-Neoノックインマウスを作製し、胎仔線維芽細胞を得る予定である。
すべて 2007 2006 その他
すべて 雑誌論文 (26件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (23件) 図書 (2件) 備考 (1件)
Eur J Hum Genet 15
ページ: 1205-1210
Genes, Chromosomes and Cancer 46
ページ: 929-935
Mol Cell Biol 27
ページ: 732-742
バイオテクノロジージャーナル 7
ページ: 433-439
Biotechnology Journal 7(4)
Eur JHum Genet 15(12)
ページ: 1205-10
Genes, Chromosomes and Cancer 46(10)
Mol Cell Biol 27(2)
DNA Sequence 17
ページ: 300-306
Gene Chromosome Cancer 45
ページ: 592-601
Brit J Cancer 95
ページ: 541-547
Cancer Science 97
ページ: 1147-1154
DNA Sequence 17(4)
Gene Chromosome Cancer 45(6)
Brit J Cancer 95(4)
Cancer Science 97(11)
10019376824
(M, Nakao, K, Shiota, T, Ushijima, Sasaki H ed.)(Yodo-sha, Tokyo, Experimental Medicine) 24(8)
Gene 366・1
ページ: 77-86
Cytogenet Genome Res 113・1-4
ページ: 306-312
Gene Chromosome Cancer 45・6
Brit J Cancer 95・4
Cancer Science 97・11
DNA Sequence 17・4
http://www.biomol.med.saga-u.ac.jp/mbg/index.htm