研究課題/領域番号 |
18590319
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
佐野 孝昭 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (90292581)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,130千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | HPV / Real-time PCR / コピー数 / p16 / L1 capsid蛋白 / ウイルス存在様式 / 子宮頚癌 / 異形成 / 液状化細胞診検体 / 免疫染色 / 病理診断 / CIN / 細胞診断学 / リアルタイムPCR / ウイルス量 / 細胞診液状化検体 |
研究概要 |
1.HPV16型について、Real-time PCR法により、液状化細胞診検体中のHPV copy数の計測と、HPVウイルスの宿主細胞内での存在様式を検討した。結果、high-gradeの異形成ではlow-gradeのものよりHPV copy数が低下する傾向が明らかであり、また年齢に従いcopy数は減少していく傾向があった。ウイルスの存在様式との関連では、integrated(細胞内組み込み型)症例は有意にウイルスcopy数が低く、年齢も他のパターンに比べ10歳以上も高いことが明らかとなった。このことは、臨床検体において、従来までのHPVの有無や型判定に加え、存在様式の判定やcopy数の計測が症例の予後推測や経過観察にきわめて有用であるとの結論に至った。 2.HPV感染に伴いL1 capsid蛋白はウイルス粒子を産性する初期にのみ粘膜表層の感染細胞に発現してくることがわかっている。そこで、HPV高悪性群のL1 capsid蛋白に反応するモノクローナル抗体を用いて、液状化細胞診検体において、P16抗体とあわせ免疫染色を行ったところ、p16蛋白は一部のCIN1症例とCIN2症例以上のほぼすべての検体で陽性を示す一方で、L1陽性例は感染初期例と考えられる早期病変の一部にのみ陽性を示した。またp16との組み合わせではL1-/p16-,L1+/p16-;L1+/p16+,L1-/p16+の順でほぼ病変が進行していくことが示唆され、このうちL1-/p16-,L1+/p16-の両群は感染初期で細胞増殖周期に異常を起こしていない状態であり、さらにL1-/p16-はウイルス粒子も産性しないstableな感染状態と考えられ、病変退縮の可能性を秘めた経過観察の絶好の対象となりえる病変で、L1とp16染色の併用は、治療方針決定にきわめて有用であることがあきらかとなった。
|