研究課題/領域番号 |
18590321
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
太田 聡 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (90324342)
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研究分担者 |
深山 正久 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70281293)
後藤 明輝 東京大学, 大学院医学系研究科, 助手 (90317090)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,950千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 450千円)
2007年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 肺腺癌 / EGFR遺伝子変異 / 癌胎児蛋白GRC3 / 腫瘍 |
研究概要 |
肺腺癌は予後不良な難治癌である。上皮様増殖因子受容体(EGFR)を含めた様々な因子の発現を遺伝子プロファイルまたは免疫組織化学を用い比較検討し悪性度指標の再構築と治療標的分子の同定を目的としている。 1 肺腺癌のEGFRの変異と癌胎児蛋白GPC3の発現: 癌胎児蛋白GPC3は胚細胞性腫瘍の卵黄嚢腫瘍や一部の絨毛癌、肝細胞癌での発現が上昇し、腫瘍同定や組織型の鑑別の良いマーカーであると我々は報告している。東京大学医学部附属病院で切除された肺腺癌の外科手術材料肺腺癌37例中、組織学的再検討と、免疫染色での追加検討可能な症例32例(EGFR変異症例は11例で34%)を用い検討した。GPC3は肺腺癌32例中8例陽性であり、8例中4例にAFPが陽性であった。GPC陽性症例の組織型は細気管支肺胞上皮癌の成分を有する混合型腺癌6例、粘液産生充実腺癌1例、高分化胎児型1例。陽性症例中、びまん性強陽性症例は胎児型1例と混合型1例であった。GPC3陽性かつEGFR変異陽性症例は混合型腺癌2例でGPC3の発現は部分的な発現である。さらに肺腺癌培養細胞株の遺伝子プロファイル検索では、一細胞株で発現が高い。以上の結果からGPC3蛋白を発現している肺腺癌は幼弱な成分を有する広義の胎児性肺癌である可能性が示唆されるとともに、膜蛋白であることから分子標的薬の有力な候補と考えられる。 2 肝細胞増殖因子受容体c-MET他のチロシンキナーゼと同様に、肺腺癌においてEGFR変異や臨床的にEGFR標的薬抵抗性との関連が最近の話題である。我々は肺腺癌培養株においてc-metの活性化とそのメカニズムを検討した。肺腺癌細胞株14株中12株でc-METは発現し、5株が持続的に活性化されていた。2株はc-Metの遺伝子増幅が見られた。活性化はリガンド非依存性で、細胞基質間接着に依存していた。 3 低酸素状態と状態と腫瘍細胞運動能: 肺癌細胞株A549を、低酸素状態にするとEGFRが誘導され、培養細胞の運動能をその活性化と連動し亢進されることを解明した。
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