研究課題/領域番号 |
18590340
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
藤井 澄 奈良県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (60284189)
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研究分担者 |
國安 弘基 (国安 弘基) 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,020千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 420千円)
2007年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | テロメア / 幹細胞 / 胃癌 / 前癌病変 / 遺伝子欠損 / 腸上皮化生 / 腸上皮化 / H.pylori / 前がん病変 |
研究概要 |
胃癌の前癌病変とてのテロメアが短縮した局所病変が存在すること及びその特徴を検討した。(1)胃癌部では10-40%にテロメア量は減少していた。(2)胃癌周囲粘膜では、癌に近い部分ほどテロメア量は低下していた。(3)非癌部粘膜では、テロメア量は腸上皮化生では70-90%、非腸上皮化生では80-95%程度であった。□H.pylori陽性で活動性胃炎が強い粘膜では、活動性の低い粘膜に比較し、テロメア量がより減少していた。□全割された粘膜の中でも癌からlcm以上はなれた非癌部に径1cm程度の範囲で周囲よりもテロメア量が15-35%低下している領域が認められた。同部は内視鏡的には軽度の炎症所見は認められるものの明らかな特徴が見られず、組織学的には中等度の活動性をしめす腸上皮化生粘膜あるいはH.pyloriの消失した腸上皮化生粘膜で、1例では再生異型と診断される核の軽度腫大が認められた。□□のようなテロメア短縮病変におけるstem cellの数、分布を検討すると、stem cellの数が増加し、腺管表層まで広い分布を示す腺管が小範囲に集籏して認められた。このようなstem cell変化を示す領域の組織型は腸上皮化生を伴う萎縮性胃炎を示すものもあったが、軽度異型を伴う非腸上皮化生粘膜を示すものも見られた。□以前に研究分担者が報告した遺伝子欠損についてテロメア短縮領域について検討したところ、同様の遺伝子欠損が認められた。以上より、テロメア短縮病変においては、テロメア短縮とともにstem cell hyperplasiaまたはstem cell deregulationが認められ、特異的な遺伝子異常を伴っている可能性が示唆された。
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