研究課題
基盤研究(C)
本研究は、重篤な肝不全を惹起する肝虚血-再灌流傷害(I/R injury)のラットモデルの作製解析とSECアポトーシス抑制のためproapoptotic分子BadのsiRNA delivery法の確立を目的とした.1)ラット肝虚血-再灌流モデルの確立と解析ラット肝2葉の門脈、肝動脈血流を90分間遮断し、再灌流後の肝傷害を経時的に検討した.血清ALT値は再灌流後6時間でピークを示し24時間後には正常値近くまで回復した.再灌流1時聞で肝細胞変性、3-6時間で広範凝固壊死巣が出現したが24時間では修復機転が見られた.SECアポトーシスは再灌流後1時間以内で多数認めたが6時間以降はみられなかった.I/R in juryは再灌流初期にSECアポトーシスが引き金となり惹起されることが示された.2)生体内Bad siRNA delivery法の確立予備検討としてGFP発現プラスミドをdelivery担体試薬atelocollagenとともに腸管静脈、門脈本管、尾静脈へ投与し、肝SECへの取り込みを蛍光およびGFP抗体を用い検討したが、陽性所見は得られなかった.培養SECを用い異なる担体試薬でのsiRNA導入も試みたが効率に優れた方法の確立には至っていない.引き続き検討中である.3)TGFβ1シグナルとSECアポトーシスわれわれはラット胎仔肝構成細胞培養系でSECの成熟分化誘導機構を解明し、TGFβ-Smad2/3シグナル阻害がSECアポトーシスを抑制することを見出した.I/R injuryにおけるTGFβ-Smad2/3シグナルの関与について検討している本研究でI/R injuryモデルを確立し、再灌流早期のSECアポトーシスの重要性を明らかにした.生体内でsiRNAをSECへ導入する方法の確立には至らなかったが、SECアポトーシスにおけるTGFβシグナルの重要性を示した.
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