研究課題/領域番号 |
18590365
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
久野 耕嗣 金沢大学, がん研究所, 准教授 (40242565)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,010千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 510千円)
2007年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ADAMTS / メタロプロテアーゼ / 損傷治癒 |
研究概要 |
ADAMTS-1は、ADAMTSファミリーの最初のメンバーとして我々が同定した遺伝子である。我々はこれまでにADAMTS-1遺伝子欠損マウスの解析から、ADAMTS-1が腎盂尿管移行部組織の構築と機能、排卵過程、卵胞生育過程と卵胞構造の維持等に関わることを明らかにしてきた。皮膚損傷治癒過程は、炎症期、増殖期、成熟期の3つの段階からなり、炎症反応を含む連続的な組織の修復過程である。我々はADAMTS1が炎症時にその発現が誘導される遺伝子であることを見い出していたことから、今回、ADAMTS-1遺伝子欠損マウスを用いて、ADAMTS-1が皮膚損傷治癒過程に関与しているかどうか検討を行った。実験としては8-12週令のADAMTS-1遣伝子欠損マウスおよびコントロールマウスの背部の皮膚に、生検トレパンを用いて直径4mmの打ち抜き損傷を作製し、経時的に損傷部位の面積を測定して、治癒過程の進行度に違いがあるか調べた。その結果、ADAMTS-1遺伝子欠損マウスでは、損傷作製後3日目から、コントロールマウスと比較して治癒の遅れが認められはじめた。またその後、損傷作製後6日目から10日目にかけても、ADAMTS-1遺伝子欠損マウスでの損傷部位の面積は、コントロールマウスと比較して大きいままで、損傷部位の塞がり方に明らかな遅れが観察された。これらの結果から、ADAMTS-1が皮膚損傷治癒過程において重要な役割を果たしていることが示唆された。我々がこの結果を見い出した後、他のグループより、ADAMTS-1が皮膚損傷過程の血管新生の制御に関わっていることが報告されたが、今後、ADAMTS-1遺伝子欠損マウスにおける皮膚損傷治癒過程の遅延のメカニズムについては、さらに詳しい解析が必要である。
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