研究課題/領域番号 |
18590381
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
竹腰 進 東海大学, 医学部, 准教授 (70216878)
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研究分担者 |
瀧澤 俊也 東海大学, 医学部, 准教授 (70197234)
長村 義之 東海大学, 医学部, 教授 (10100992)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,890千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 390千円)
2007年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | プロテインキナーゼC / ジアシルグリセロール / 酸化ストレス / 脂質過酸化 / 神経細胞 / 脳 / シグナル伝達 / プロテインCデルタ / protein kinase C / diacylglycerol / oxidative stress / lipid peroxidation / neuron / brain / signal transduction / MAP kinase |
研究概要 |
Diacylglycerol(DAG)はprotein kinase C(PKC)の活性化を介して細胞応答反応に重要な役割を果たしている脂溶性情報伝達物質である。我々はDAGが過酸化されることによりnative DAGの約3倍のPKC活性化作用を持つ強力な活性化物質に変質することを証明した。また、過酸化DAGがこれら既存のPKCアイソザイムの中でもδ分子種を特異的に強く活性化するというユニークな特性を明らかにした。更に、アデノウイルスベクターを用いてPKCδ分子種を高発現させたラット胎児大脳皮質初代培養神経細胞では過酸化DAGによる傷害が著明に増強することが判明した。一方、過酸化DAGによる神経細胞傷害の機序を追求する過程で、われわれは脳組織中には過酸化DAGに強い結合性を有するがシグナル伝達特性の全く異なる2種の新しいPKC分子(PKC-X:シグナル伝達促進性、PKCδSV:シグナル伝達抑制性)が存在することを見いだした。本研究では、過酸化DAGによるPKCδ過剰活性化と引き続き誘導される神経細胞傷害を抑制しうる分子と考えられるPKCδSVの役割を、本分子の過剰発現系を用いて検討した。2006年度には、PKCδSVおよびコントロールとしてPKCδ、PKCαの遺伝子を組み込んだアデノウイルスベクターを作製した。さらに、これらの発現ベクターを用いそれぞれの分子を高発現するPC12細胞系を確立した。2007年度には、PKCδSVを組み込んだ細胞にPKC活性化刺激(PMA:ホルボールエステル)を加えたところ、PMAにより誘導される増殖シグナルがPKCδSVの発現により抑制されることが明らかとなった。以上の結果から、DAG結合ドメインのみを有するPKCδSV分子(キナーゼドメインを持たない)はPKCδシグナル系を抑制する分子であることが強く示唆された。
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