研究課題/領域番号 |
18590383
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
田村 和広 東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (70281409)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,860千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 360千円)
2007年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2006年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 下垂体腫瘍 / プロラクチノーマ / エストロゲン / ソマトスタチン / 組織再生因子 / VEGF / IGFBP7 |
研究概要 |
ラット下垂体由来GH3腫瘍細胞を移植した動物に17βエストラジオール(17β-E2)またはカテコールエストロゲンである4-ヒドロキシエストラジオール(4-OHE2)を投与すると、腫瘍の増大と血中プロラクチン(PRL)値の上昇がみられた。この腫瘍内ではVEGFとbFGF発現が上昇し、特にVEGFが顕著に上昇していた。低親和性IGF結合蛋白質IGF-binding protein7(IGFBP7)と微小管調節因子stathminも発現していた。GH3細胞培養系でのE2処置はVEGFとIGFBP7の発現を上昇させた。IGFBP7発現のノックダウンはVEGF発現を上昇させた。この上昇は血管内皮細胞でも起こりIGFBP7の発現低下は増殖能を低下させ、インテグリンβ1クラスター形成異常、コロニーフォーメーション能の低下を起こした。一方、ソマトスタチン(SST)受容体(SSTR)アゴニスト及びIGFBP7がVEGF発現を減少させた。IGFBP7は下垂体腫瘍形成の抑制に関わる標的分子と考えられる。また、細胞増殖並びにプロラクチン分泌もSST処置により抑制された。SST処置により腫瘍組織の血管網減少とVEGF発現抑制がみられていることから考えると、SSTRの抗増殖効果はVEGF分泌を介することが考えられた。さらに、E2の増殖促進作用にはERαを介したMAPK経路の活性化が関与し、SSTRはERα受容体介在性の増殖シグナルに抑制的に働き、E2処置がSSTR1発現低下を起こしてERα受容体下流の増殖シグナル系の増強をもたらすことを示唆した。SSTはERKのダウンレギュレーションとcdkインヒビター(p27)の上昇を起こすことも判明し、プロラクチノーマでのSSTR機能の一端を明らかにした。
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