研究課題/領域番号 |
18590390
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター) |
研究代表者 |
高橋 真美 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), がん予防基礎研究プロジェクト, 室長 (90214973)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,020千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 420千円)
2007年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 膵がん / 高脂血症 / ハムスター / PPARγ / リポ蛋白リパーゼ / BOP / OLETFラット / 糖尿病 |
研究概要 |
高脂血症が膵管発がんに及ぼす促進的影響を明らかにし、そのメカニズムを解明することを目的として、動物実験にて、抗高脂血症剤のBOP誘発ハムスター膵管発がんへの影響を検討した。さらに、ハムスター以外の高脂血症・糖尿病モデル動物における膵臓発がんの感受性について検討をおこなった。 1.6週齢のシリアンゴールデンハムスターの血清トリグリセリド値は、F344ラット、C57BLマウスと異なり、高脂血症のレベルに達していた。これらの動物の肝臓におけるLPL活性は、血清トリグリセリド値と逆相関した。 2.PPARγのリガンドであるピオグリタゾンをハムスターに混餌投与した結果、血清脂質レベルが低下するとともに、BOP誘発膵管がんの発生数が有意に減少した。また、肝臓中の脂質代謝関連酵素であるLPLの発現はピオグリタゾン投与によって上昇していた。 3.メカニズムの異なる抗高脂血症剤のBOP誘発ハムスター膵管発がんへの影響を末梢膵管増生等を指標にして検討した。抗高脂血症作用が知られている薬剤でも、ハムスターの高脂血症の改善に効果が見られなかったものもあった。BOP誘発末梢膵管増生は、ピオグリタゾン以外に、PPARαリガンドの抗高脂血症剤であるベザフィブレート、インスリン非依存性糖尿病薬であるビグアナイド系血糖降下剤のメトホルミンの投与で減少が見られた。 4.高脂血症動物としてOLETFラットおよびスナネズミを用い、BOPに対する感受性を検討するために、ハムスターの膵臓発がん物質であるBOPを投与し、2週後に解剖して、膵管上皮細胞の増殖活性をBrdUの取り込みにより検討した。OLETFラットでは、ハムスターに比べて非常に少ないながら、BrdU取り込み細胞数の増加が見られた。スナネズミでは、BOPによる増殖活性の上昇は認められなかった。 ハムスターの血清脂質値を改善すると発がんが抑制され、高脂血症がハムスターの膵管発がんに促進的な役割を果たしていることが示唆された。しかし、高脂血症動物であればBOP誘発膵臓発がんに感受性が高いというわけではなく、膵臓のBOP感受性には種差の影響が大きいと考えられた。
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