研究課題
基盤研究(C)
本研究では、BCGと結核菌に交差反応性を示すCD8+T細胞を検出する方法を検討し、その結果、MHC class I H-2D^bとBCG/結核菌抗原エピトープMtb32a_<309-318>の5量体が効率よくそれを検出できることを確認した。本年度は、これを用いて、結核菌が感染したマウスの肺および肺所属リンパ節の結核菌抗原特異的CD8+T細胞の誘導を経時的に解析した結果、肺では感染21日目、肺所属リンパ節では感染28日目にその数が最大になることが明らかとなった。一方、BGCを皮下接種した場合にも、Mtb32a特異的CD8+T細胞が誘導されること、その誘導は結核菌肺感染に比べて早期の7日目から最大になることが明らかとなり、BCGにもCD8+T細胞の誘導能があることが明らかとなった。さらに、BCGワクチン接種したマウスに結核菌を肺感染させると、ワクチン非接種マウスに比べて7日早く肺へのMtb32a特異的CD8+T細胞が誘導され、それが肺におけるMtb32a特異的CD8+T細胞のIFN-γ産生と相関していた。したがって、BCGワクチンは、これまで考えられてきたCD4+T細胞の誘導のみでなく、肺への結核菌特異的IFN-γ産生CD8+T細胞の誘導を増強することにより、肺結核の予防に働くことが明らかとなった。
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