研究課題/領域番号 |
18590434
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
|
研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
喜多 英二 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90133199)
|
研究分担者 |
水野 文子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70271202)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,630千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 腸管出血性大腸菌 / ベロ毒素 / 感染ストレス / レプチン / グレリン / 資質ラフト / Gb3 / アポトシス / 大腸菌 |
研究概要 |
志賀毒素(Stx)産生腸管出血性大腸菌(STEC)0157:H7感染が引き起こす致死的合併症(溶血性尿毒症症候群:HUS)の基本病態は、血管内皮障害とフィブリン/血栓形成で、特異受容体(Gb3)に結合したStxの毒性と炎症性サイトカインの協調作用がその原因とされている。今回の研究において、StxとTNF-α存在下における標的細胞でのNO産生亢進が、HUS病態成立に深く関与し、TNF-α刺激により産生亢進するレプチンが、両因子の協調作用を更に促進させていることが確認された。このレプチンの作用は、既に報告したIV型ボスポジエステラーゼ阻害剤(PDEI)の効果に拮抗するものであった。STEC経口感染後18時間までに、腸管組織および血中にTNF-αが有意に産生亢進され、血中には16時間目移行レプチン量が上昇し、この上昇と併行して、血中及び腎、脳内でのNOレベルの亢進が確認され、脳内でのアポトーシス細胞が増加した。Stx非産生大腸菌の経口感染では、これらの変化は確認されなかった。神経細胞を用いた解析から、志賀毒素の標的細胞への毒性発現に細胞内NO産生亢進が不可欠であり、レプチン処理神経細胞ではStx存在下でNO産生充進が著しく増加し、Stx感受性の顕著な元進が認められた。レプチン処理の効果には、細胞膜non-raft中のABCA1発現低下とlipidraft中でのGb3発現増強が認められ、Gb3結合Stxの細胞内取り込み亢進による、神経細胞のアポトーシス増強が認められた。PDEIは、逆にABCA発現亢進とGb3のre-distributionを招き、レプチン作用に拮抗作用をしめした。今回の研究ではleptinの作用機序については明らかにしえなかったが、レプチンによる毒素活性亢進作用はSTEC感染感受性の個体差の一因と推察された。
|