研究課題/領域番号 |
18590459
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
柊元 巌 国立感染症研究所, 病原体ゲノム解析研究センター, 室長 (70291127)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,880千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 480千円)
2007年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ヒトパピローマウイルス / クロマチン / 複製 / 角化細胞 |
研究概要 |
1、ヒト293細胞でのヒトパピローマウイルス(HPV)DNA複製系を用いて、角化細胞で発現している転写因子がHPV複製に及ぼす効果を調べ、ヒト転写因子hSkn-laがHPV複製を増強することを見出した。ゲルシフト解析により、hSkn-laがウイルス複製オリジンの二ヶ所に結合することが示された。またクロマチン免疫沈降法により、細胞内でこの部位へのhSkn-laの結合を検出した。この結合部位にhSkn-laが結合出来ない塩基置換を導入すると、その複製増強作用が消失した。hSkn-laがオリジンへの結合を介して、分化に連動したHPV複製に関わることが示唆された。 2、HPV後期プロモーターP670に20塩基の置換を端から順次導入したリポータープラスミドを用いて、P670に二ヶ所の転写抑制配列があることを見出した。組換えCDP蛋白質を用いたゲルシフト解析によって、細胞の転写抑制蛋白質CDPがこれらの配列に結合することが分かった。未分化細胞における後期プロモーターの抑制にCDPが関わる可能性が示唆された。 3、HPV16型の環状ゲノムDNAをヒストンおよびヒストンシャペロン蛋白質NAP-2、クロマチン再構築因子ACFと共に混合し、ATP分解のエネルギーを用いて、生理的なヌクレオソーム間隔を持つHPVクロマチンを作成した。HPVクロマチン上でのヌクレオソームの位置をマイクロコッカスヌクレアーゼ分解法にて解析したところ、ヌクレオソームがP670プロモーター領域に正確に配置され、細胞内でのHPVクロマチンを再現していることが分かった。また、HPV16型の複製蛋白質E1とE2を組換え蛋白質として精製し、ヒト293細胞の抽出液中でE1/E2存在下にHPVゲノムDNAを複製させる無細胞実験系を構築し、この複製系にて再構成 HPVクロマチンが複製されることが示された。
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