研究課題/領域番号 |
18590461
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
原田 志津子 感染研, 研究員 (10218646)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,930千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | EBウイルス / ウイルス / 潜伏感染 / 核蛋白 / 転写活性化 / EBNA |
研究概要 |
EBウイルスはヒトB細胞に潜伏感染し宿主に終生住み着くヘルペスウイルスである。健常人の正常な免疫状態では不顕性感染であるが、移植やエイズ等の免疫抑制時や老化に伴う防御能力低下状態になると、潜伏EBウイルスは移植後リンパ球増多症(PTLD)やリンパ腫など様々の疾病や腫瘍の原因となる可能性が指摘されている。本研究は、潜伏感染成立に必須である核蛋白EBNA-2とEBNA-LPに焦点を絞り、これらの機能解析と宿主細胞との相互作用を解析する事により、EBウイルス潜伏感染の機構解明をめざした。既に我々はEBNA-LPの機能が、EBNA2の転写活性化を相乗的に昂進させる補因子であることを見いだし、あるEBNA-LP変異体がドミナントネガティブ(DNLP)活性を持ちEBNA-2と相互作用する事を示した(PANS,2004)。そしてDNLP変異体を誘導発現させた潜伏感染細胞を初めて樹立し、発現による細胞増殖低下、細胞周期変化を観察した(投稿中)。今年度は実験を継続しアレー解析などで継時的遺伝子発現解析を行い、特徴的な様式を検索した。種々のアレーと複数回の試行で、いくつかの特徴的な発現変動を示す細胞性因子があることがわかり、中でもあるB細胞特異的転写因子の発現変動がDNLP発現後数時間で現れるなど興味深い点が見いだされた.定量PCR法など他の分析法で確認をしつつあるが、ウイルス核蛋白EBNA-LPの機能を抑制することにより、ウイルス潜伏感染細胞の遺伝子発現を変化させ細胞増殖を抑制することが示唆された。ウイルス核蛋白の機能を制御する薬剤などの検討を今後継続する予定ある。
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