研究課題/領域番号 |
18590503
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医療社会学
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研究機関 | 立命館大学 (2007) 流通科学大学 (2006) |
研究代表者 |
下妻 晃二郎 立命館大学, 理工学部, 教授 (00248254)
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研究分担者 |
山口 三重子 (山口 重子) 県立広島大学, 保健福祉学部, 准教授 (90279018)
斎藤 信也 高知女子大学, 看護学部, 教授 (10335599)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,980千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 480千円)
2007年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 在宅医療 / 緩和ケア / チーム医療 / 質的研究 / 遺族満足度 / FAMCARE Scale / 在宅緩和ケア / 医療システム / 満足度調査 / 遺族調査 / QOL調査 / FAMCARE |
研究概要 |
岡山市で数年来実績を重ねてきた、がん終末期患者を対象とした「多職種関与による在宅緩和ケアシステム」(以下、緩和ケア岡山モデル)の先駆的なチームアプローチを対象とし、モデルがスムーズに行われるための適切な条件を質的研究から明らかにし、次に、(2)最終的なアウトカムとしての、家族(遺族)満足度調査を行った。 研究(1)から明らかになった条件は、(1)プライマリケア・チームと緩和ケア専門チーム(以下、両チーム)が参加する定期的な学習会や合同カンファレンスの開催、(2)十分な情報共有、(3)プライマリケア・チームによる緩和ケアに特有なケアの理解、(4)両チーム間の適切な役割分担、(5)プライマリケア・チームの尊重(6)訪問看護ステーションの中心的役割の重視、(7)緊急体制の構築、(8)介護保険の活用、(9)福祉職との連携、であった。 研究(2)においては、まずオーストラリアで開発された家族(遺族)満足度調査票であるはFAMCARE Scaleの正式な日本語版の開発を行い、その20項目からなる調査票を、緩和ケア岡山モデルを受けた患者の遺族83人に送付して受けた緩和ケアに対する満足度を調査した。本研究計画は倫理委員会の審査の承認を受けて行った。結果は、平均点は3.94±0.19(5点満点)であった。ほぼ全項目を通じて「満足」以上が5割を超え、「痛みの緩和」、「質問への医療専門家からの回答」、「家族面談への医師の応需」、「症状に対して医師が払う注意」、「主治医が患者のためにとる時間」、の評価が高かった。在宅ケア開始前に疼痛コントロールを終えたり、患者家族の要望に時間をかけて対応したりする努力が評価された。一方「入院用ベッドの常時確保」などに課題を残した。FAMCARE Scaleの因子分析では「十分な情報量」、「医療者の態度」、「家族への教育サポート体制」、「緊急時の対応」の4因子が同定された。介護に満足する回答は44%に留まり、家族の負担軽減のための環境整備の必要性が示唆された。 本研究結果は、多職種関与による在宅緩和ケアシステムの適切なモデル開発に役立つと思われた。
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