研究課題/領域番号 |
18590514
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
三浦 克之 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00183624)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,980千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 480千円)
2007年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 腎線維化 / ヘムオキシゲナーゼ / エリスロポエチン / 低酸素 |
研究概要 |
今回の研究では低酸素に対して応答する分子の腎間質線維化進展ならびに間質の炎症における役割を明らかにすることが目的である。低酸素で誘導されるヘムオキシゲナーゼ1(HO-1)を腎に誘導することで腎線維化モデルの尿管閉塞ラットの閉塞腎における腎線維化は抑制されたが、腎間質へのマクロファージの浸潤は逆に増加した。一方、T cellに浸潤はHO-1誘導により著明に抑制された。免疫組織化学によりHO-1の局在を検討したところ、HO-1誘導時の浸潤マクロファージに高発現していたことから浸潤マクロファージにおけるHO-1の線維化抑制への関与が示唆された。同様に低酸素によって発現が促進されるエリスロポエチン(EPO)の腎線維化に対する効果についても検討した。EPO投与にて血中ヘモグロビンは約1.5倍に上昇したが、EPOは腎間質の線維化に影響しなかった。これらのことから、低酸素で誘導されるHO-1には腎線維化抑制作用があるが、EPOには線維化抑制作用がない可能性が考えられた。次に炎症細胞の浸潤に伴いどのような分子が発現するか、さらに抗炎症薬がこれらの分子にどのように影響するかを検討するためループス腎炎モデルマウスを用い糸球体に浸潤する炎症細胞と発現遺伝子の網羅的解析を行うとともにステロイドの効果を検討した。腎炎糸球体ではマクロファージ、好中球、T細胞の著明な浸潤に伴い、多くのケモカインならびにその受容体が発現すること、ステロイドは炎症細胞の浸潤の抑制とともにこれらの分子の発現を総じて抑制することが明らかとなった。以上の結果より低酸素で誘導される分子にはHO-1のように腎間質線維化に対し抑制的に働く分子があることが明らかとなったが、間質の線維化形成に重要な役割を演じている炎症細胞に対してはステロイドのように非特異的に抑制するのではなく、炎症細胞の種類によりその効果が異なることが明らかとなった。
|