研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は同種造血幹細胞移植(CST)後の重要な臨床検査であるキメリズム解析(移植後のドナー由来血球比率の計測)に関して、ゲノムの欠失・挿入型多型(insertion-deletion polymorphisms、indels)を用いた方法を確立することである。当初我々はreal-time PCR法を用いた方法の確立を目指したが、検討の過程でコストの面で蛍光ラベルプライマーを用いた方法(indels-PCR法)がより優れているという結論に達したため、方針を変更した。まず日本人において多型の頻度が高いindelsマーカー8種(insertionのサイズは21〜40bp)をデータベースから選択し、キメリズム解析における有用性(ドナーとレシピエントを判別できること)の検討を行った。71組のCSTドナー・レシピエントペアの末梢血検体を用いた検討では67ペアが判別可能であった。これに従来異性間移植での有用性が確立しており同一の手技で解析できるamelogenin遺伝子を加えることにより、すべてのペアを判別することができた。従って、比較的少数のindelsマーカーを用いることによりほとんどの日本人の移植患者の解析が可能である。次にCST後の末梢血検体を用いて、現在広く行われているshort tandem repeat(STR)をマーカーとする方法(STR-PCR法)とindels-PCR法を比較した。Indels-PCR法ではSTR-PCR法の欠点である(1)PCR反応時のstuttered peaks形成による結果の判定の曖昧化、(2)多型アリル間の増幅効率の違いにより結果の定量性の不確実化、が認められなかった。Indels-PCR法は従来のSTR-PCR法と比較してより正確に移植後のドナー由来細胞の比率を定量できる方法であり、実用性が高い方法と考えられた。
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