研究課題/領域番号 |
18590623
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 四天王寺国際仏教大学短期大学部 |
研究代表者 |
松本 珠希 四天王寺国際仏教大学短期大学部, 准教授 (90248047)
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研究分担者 |
後山 尚久 藍野学院短期大学, 看護学科, 教授 (20148430)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 月経前症候群 / 月経前不快気分障害 / 自律神経活動 / 心拍変動 / パワースペクトル解析 / クロモグラニンA / コルチゾール / パーソナリティー / 交感神経活動 / 副交感神経活動 / 唾液クロモグラニンA / 唾液コルチゾール / 性格特性 |
研究概要 |
月経前に現れる身体的及び精神的愁訴は「月経前症候群(PMS)」と呼ばれ、種類や程度、継続する期間を問わなければ、性成熟期女性の半数以上が何らかの症状を自覚しているといわれている。なぜ、月経前に"心とからだの不協和音"が生じるのだろうか?女性の生体には、心身相関に関与する自律性・内因性のcircalunar rhythm(概月リズム)が存在するのだろうか?本研究では、性成熟期女性を対象に、"体内環境の恒常性維持に寄与し、心の状態にも影響を及ぼす"とされる自律神経活動〔心拍変動パワースペクトル(HRV)解析により評価〕を月経周期に応じて測定し、併せて、卵巣ホルモン、ストレス関連ホルモン(cortisol, chromogranin A)、主観的心身不快症状、性格特性との関係も多角的に評価することにより、心理神経内分泌動態の観点から、PMSの発症メカニズムを探求した。 本研究より得られた主要な知見は、内科的・婦人科的・精神科的疾患がない健康な女性でも、月経前の不快症状が卵胞期に比べ20%以上の顕著な増加を経験する場合、黄体後期における副交感神経活動が低下することであった。加えて、PMSの重症例である月経前不快気分障害では月経前の不定愁訴が一層強くなり、黄体後期のみならず、症状が現われない(あるいは軽減する)卵胞期においても心拍変動が減衰し、全自律神経活動が著しく低下することが明らかとなった。さらに性格特性もPMSの症状及び神経生理的要因を修飾しうる可能性のあることが示唆された。本研究で導入したHRV解析は、自律神経活動を交感神経系と副交感神経系に分離定量化・視覚化することにより、見えない心身のストレスを反映できる可能性を有している。本手法を用いることにより、"心と体の月経周期性変動"を客観的に評価できるだけでなく、PMSの治療効果の検討、延いては、女性のQOL向上に寄与する健康支援対策の構築の一助になることも、本研究の一連の実験結果から推察された。
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