研究課題/領域番号 |
18590706
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
前田 雅代 金沢医科大学, 医学部, 講師 (30199632)
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研究分担者 |
太田 隆英 金沢医科大学, 付置研究所, 准教授 (10152141)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,390千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 390千円)
2007年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | LyGDI / RhoGDIβ / D4GDI / RhoGDI2 / Caspase-1 / アノイキス / アポトーシス / がん転移 / 大腸癌 / Rho |
研究概要 |
RhoGDIはRhoファミリーの低分子量Gタンパク質の活性を制御する分子である。LyGDI(D4GDI/RhoGDIβ/RhoGDI2)は3種類見つかっているRhoGDIのひとつであり、他の2種類とは異なり、caspaseによる切断部位をもつという特徴をもつ。Caspase-1による切断で生じるとされるLyGDI-Δ55を転移性のマウス肉腫細胞(1-1src)に強制発現させると、アノイキス(基質から遊離することによるアポトーシス)感受性が亢進し、肺転移能が低下することを我々は明らかにした。さらに、これらの変化に伴い、アノイキスを制御する重要な分子の一つであるFAK(focal adhesion kinase)の細胞膜への局在が低下することを見いだした。LyGDIは血球系細胞で特異的に高発現しているが、いくつかの大腸癌細胞株でも発現している。そこで、大腸癌細胞株におけるLyGDI-Δ55の機能を検討するために、アノイキス抵抗性でLyGDIの発現が高いHT29、およびアノイキス感受性でLyGDIの発現が低いSW480を選び、アノイキス誘導によりLyGDIがcaspase-1により切断されるかを検討した。しかし、いずれの細胞株でもcaspase-1による切断を確認することができなかった。そこで、精製したヒトLyGDIを用いて実際にcaspase-1によって切断されるかin vitroで検討したが、LyGDIの切断はきわめてわずかにしか観察されなかった。これらの結果から、これまで考えられていたようなcaspase-1によるLyGDIのAsp^<55>での切断が細胞内では起きていないことが強く示唆された。生体内での正確な切断部位は不明であるが、我々はN末制御領域(1-55)を失ったLyGDI-Δ55に転移を抑制する機能があることを既に見いだしているので、LyGDI-Δ55の機能の検討をさらに進めている。
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