研究概要 |
本研究では種々の組織から、表面マーカーを利用して幹細胞を分離し、どの組織からの幹細胞が最も効率よく心筋への分化を起こすか、また心筋の分化に必要な外的因子について検討を行った。特に、舌筋由来組織幹細胞は自己拍動する細胞に分化し、Cx43を発現し、gap junctionを形成することを明らかにしたが、この細胞の心筋再生療法への応用の可能性について、in vivoの実験において確認した。C57/BL6マウスの舌筋から0.2%コラゲナーゼ処理により単離した、SCA-1陽性細胞および陰性細胞がDMEM+10%FBSをベースにした培養液に,種々の成長因子(EGF,PDGF-bb、LIF)を加え、37℃、5%CO_2のもとで培養することにより2週間後発心筋特異的マーカーである、NKX2.5,MEF2C,aMHC,bMHC,connexin43,ANP,cardiac troponin Iの発現をRT-PCRおよび免疫染色法で確認した。そこで、これらの細胞のうち、心筋細胞発分化しうる細胞の表面マーカーの解析を行った。これらの細胞をmicroarray発よって網羅的な遺伝子発現解析を行い、いくつかの特異的発発現する遺伝子を同定した。また、GFPマウスから採取した舌由来組織幹細胞を同系のマウスの心筋梗塞モデルに移植し、心筋への生着率、gap junctionの形成、不整脈の発生、死亡率への影響発っいて検討し、心機能の改善、生存率の改善をもたらすことが明らかとなった。
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