研究課題
基盤研究(C)
研究代表者は先行研究において、1例の家族性肥大型心筋症患者に、心筋筋小胞体カルシウムATPase(SERCA2a)遺伝子の異常を見出した。このValine540Aianine変異SERCA2a(V540A-SERCA2a)が肥大型心筋症の原因であることを明らかにするためには、実験的にV540A-SERCA2aによる心筋筋小胞体でのカルシウム調節異常によって、実際の生体内で心機龍障害や心筋症を生じることを示すことが最も直截な証明法であると考え、V540A-SERCA2a変異遺伝子を心筋特異的に発現させたトランスジェニック(TG)マウスを作成した。8-12週の若いV540A-SERCA2a TGマウスの心機能を調べたころ、正常マウスに比べ、20%ほど心筋収縮性が低下することを見出した。しかし心筋症様の形態的な変化は顕著ではなかった。一方、遺伝子異常を有する患者では、加齢やストレスなどの二次的因子が加わることによって、疾病が顕在化すること(セカンドヒットセオリー)が知られている。そこで本研究課題では、「加齢と圧負荷によるストレスが、V540A-SERCA2a TGマウスの心機飽をさらに悪化させ、心筋症様の形態変化を引き起こす」との仮説に基づき、実験を行った。その結果、V540A-SERCA2a TGマウスでは、加齢によって有意に心筋肥大が生じることが判明した。それに伴い、心機能の低下も認められた。さらに筋小胞体内に存在し、SERCA2aの機能制御蛋白のひとつであるsarcakmeninを欠損したマウスでも加齢による影響を観察した。その結果、sarcalmenin欠損マウスでも、加齢によって、著しく心機能が低下することが戦明した。以上の結果は、SERCA2aの蛋白変異や機能修飾が生じると、加齢ストレスへの適応が困難になってしまうことを示唆するものと考えられた。
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