研究課題
基盤研究(C)
BMP-3bの心・血管系における機能解析のため、以下の検討を行った。1.血管平滑筋細胞における検討(1)遺伝子発現調節:ヒト、ラットともに発現していたが、特に、細胞の調製法(酵素法、explant法)により違いが観察されたことより、分化状態により発現が変化することが示唆された。(2)生理作用:過剰発現系による検討の結果、本因子が細胞増殖抑制作用を示すことが分かった。しかし、条件により、増殖作用を示す場合もあり、同族のBMP2などとの比較も含め、更なる検討を継続中である。(3)スプライシングバリアントの発見:ヒト細胞内の内在性分子のクローニングの過程でスプライシングバリアントを発見した。配列解析の結果から、本因子の活性に必須な領域が欠損しているタイプであることから、活性調節に関与する重要なバリアントであり、新たな活性分子型の存在が予想される。2.心臓における検討:(1)培養細胞での検討:心室組織より調製した心筋細胞、非心筋細胞両者に発現していた。(2)心臓発生過程での検討:心臓の発生する時期(胎児期8.5〜10.5d)において、初期から発現が開始し、その後、発現量は増加する傾向が観察された。(3)過剰発現マウスの作成:心臓組織において、wildマウスと比較して10-100倍程度に過剰に発現するマウスの作成に成功したので、現在解析中である。3.分子型の検討:これまで、本因子を特異的に認識する抗体がなかったため、生体内の分子型については不明のままであった。今回、プロ体部分を認識する抗体の作成に成功し、その抗体を用いたaffinity gelを調製した。これらを用いてBMP-3b過剰発現細胞の培養上清中の分子型を調べたところ、これまで知られていないユニークな存在様式であることが分かった。現在、生体内組織においても同様の検討を開始し、生合成経路を明らかにしていく予定である。
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Circulation. 117
ページ: 2329-2339
Circulation 117
http://www.ncvc.go.jp/res/seika/seikaj_01.html