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急性肺損傷の新規治療法の開発;PARの役割と治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18590834
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 呼吸器内科学
研究機関東北大学

研究代表者

鈴木 朋子  東北大, 大学病院, 助手 (10400342)

研究分担者 久保 裕司  東北大学, 病院・助手 (20332504)
研究期間 (年度) 2006 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
3,800千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
キーワード急性肺損傷 / 肺胞上皮細胞 / 好中球 / アポトーシス / 好中球エラスターゼ / プロテアーゼ受容体 / 組織修復 / ARDS
研究概要

急性肺損傷(ALI)および急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は重篤な呼吸不全であり,未だ有効な治療法が無く,その死亡率は依然として非常に高い,この疾患の病態には,肺胞上皮細胞の傷害とそれによって引き起こされるアポトーシスが大きくかかわっている,この肺胞上皮細胞のアポトーシスを,好中球エラスターゼがproteinase activated receptor(PAR)-1を介して惹起することを我々は報告した(Am J Respir Cell Mol Biol 2005;33:231-247)。また,それとは反対にPAR-2刺激が好中球の肺への遊走を抑制することを発見した,以上のことより,PAR-1/PAR-2のバランスが,急性肺損傷時の肺の病態に大きくかかわっていることが示唆された.
そこで,急性肺損傷におけるPARの役割について,以下の3方向より研究を進めた.
1.臨床検体(急性肺損傷,間質性肺炎急性増悪症例)における検討
PAR-2のCleavedされるN末のpeptideに対する抗体を作成した.そしてこの抗体を用い,症例の気管支肺胞洗浄液中のPAR-2断片濃度を測定した.その結果,急性肺損傷時にPAR-2断片濃度が変化することを発見した.このことは,臨床の急性肺損傷においてもPARがその病態に関与していることを示している.現在,予後など臨床病態との関連を調べている.
2.培養気道上皮細胞を用いたin vitro study
BEAS-2B細胞を,PAR-2 Activating peptideで刺激することにより,細胞増殖が促進されることを明らかにした.このことは,PAR-2の肺上皮細胞保護作用を示している.また,肺傷害後の組織修復にPAR-2が関与することも示唆する.
3.マウス急性肺傷害モデルを用いたin vivo study
我々が開発した急性肺損傷後の組織修復のモデルで,好中球エラスターゼの関与を検討した.このモデルでは,組織修復が正常に行われず,肺コンプライアンスの低下をもたらすことを明らかにした.しかし,この変化は好中球エラスターゼを阻害することにより抑制され,PARを介した肺組織修復の修飾が示唆された.このことより,PAR-1/PAR-2のバランスをコントロールすることによる肺組織修復の促進が期待でき,急性肺損傷の新規治療法開発に向け,研究を進めている.

報告書

(1件)
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Interaction of non-adherent suspended neutrophils to complement opsonized pathogens : a new assay using optical traps.2006

    • 著者名/発表者名
      Suzuki T, et al.
    • 雑誌名

      Cell Research (in press)

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] Tyrosine phosphatase SHP-2 regulates IL-1 signaling in fibroblasts through focal adhesions.2006

    • 著者名/発表者名
      Herrera Abreu MT, et al.
    • 雑誌名

      J Cell Physiol 207

      ページ: 132-143

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] Pleurodesis with carboplatin in elderly patients with malignant pleural effusion and lung adenocarcinoma.2006

    • 著者名/発表者名
      Sasai T, et al.
    • 雑誌名

      J Am Geriatr Soc 54

      ページ: 722-723

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] Arterial carboxyhemoglobin concentrations as a prognostic predictor in elderly patients with advanced non-small-cell lung cancer.2006

    • 著者名/発表者名
      Yasuda H, et al.
    • 雑誌名

      J Am Geriatr Soc 54

      ページ: 712-713

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] Carbocisteine inhibits rhinovirus infection in human tracheal epithelial cells.2006

    • 著者名/発表者名
      Yasuda H, et al.
    • 雑誌名

      Eur Respir J 28

      ページ: 51-58

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [図書] 高濃度酸素投与とその悪影響-メカニズムと対策-臨床麻酔2006

    • 著者名/発表者名
      鈴木 朋子, 他
    • 総ページ数
      160
    • 出版者
      真興交易株式会社
    • 関連する報告書
      2006 実績報告書

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公開日: 2006-04-01   更新日: 2016-04-21  

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