研究課題
基盤研究(C)
いまだ検診における有用性が検討されたことのない腫瘍マーカーと、我々が独自に見いだした血清中肺癌マーカーの肺癌早期発見における有用性を明らかにすることを目的とした研究を行った。【ELISAによる測定系の構築】我々はULBP-2が非小細胞肺癌患者の血清中に多く検出されることを見いだした。そこでELISA系による検出系を構築した。その結果血清中2ng/mlまでのULBP-2を検出可能であった。また肺癌患者と正常者血清中のULBP-2濃度を測定したところ、肺癌患者の中に明らかに抗体価の高い群を検出し、本法の有用性が示された。【肺癌検診における各種マーカーの測定】本研究では、小細胞癌マーカーとしてProGRP、非小細胞癌マーカーとしてULBP2、肺癌マーカーとしてp53自己抗体、喫煙マーカーとしてコチニン濃度を測定した。その結果、それぞれの間には相関は認めず、これらは全く独立した指標であることが明らかとなった。現在のところこれら調査参加者から肺癌の発生を認めていない。【新たな検診形態の構築】平成19年度から喫煙状況などの詳細な個人情報提供を取得する新たな募集形態を構築した。新募集形態で163名が募集できた。このうち、ProGRPは20.0pg/mL以上の軽度上昇を認める例が2例存在したが基準値(46.0pg/mL未満)を超えた者はいなかった。またULBP-2は2-10ng/mlが5例、10-100ng/mlが3例、100ng/ml以上の高度上昇者1例を認めた。この新たな研究参加者からの肺癌発生を今後も追って行く予定である。【総括】ELISA法による検出系の構築、さらにこれとProGRPなどの腫瘍マーカー、p53抗体などの癌遺伝子産物自己抗体の測定を肺癌検診受診者においての測定を予定通り完遂した。加えて個人情報収集のための新たな募集形態も構築した。これら受診者からの肺癌の発生状況を今後さらに追跡調査することによって、今回測定した各種血清マーカーの臨床的意義がより明らかになると考えられる。
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