研究課題
基盤研究(C)
小児のステロイド感受性ネフローゼ症候群では、しばしば兄弟例などの家族内発症を認めることから、その発症に何らかの遺伝的要因が関与していると考えられる。実際、ヨーロッパの大規模調査研究によると、微小変化型ネフローゼ症候群の3.4%が家族性であると報告されている。我々は、常染色体劣性遺伝に合致するステロイド感受性ネフローゼ症候群家系を集積し、その臨床的特徴を解析した。日本全国から集積した、一卵性双生児の2症例を含む14家系28患児を対象とした。いずれの家系も、両親や他の兄弟に蛋白尿の既往はなく常染色体劣性遺伝に矛盾しなかった。発症年齢の平均は4.3歳(1-15歳)で90%の症例は6歳までに発症していた。罹患兄弟間の発症時期のずれは平均2.9年以内であった。ヨーロッパの15家系32症例の報告では、発症年齢の平均は3.4歳(7ケ月-14歳)で90%の症例は7歳までに発症、罹患兄弟間の発症時期のずれは平均4年以内であり、我々のデータとの間に差を認めなかった。また、罹患兄弟間では、蛋白尿の程度、再発頻度、期間は必ずしも一致しなかった。再発頻度は低年齢で高率で、年齢とともに減少していく傾向にあった。頻回再発は8患児(29%)に認めた。また、13患児(46%)にアレルギー疾患を認めた。これらの臨床所見は、これまで報告されている非家族性のステロイド感受性ネフローゼ症候群と同様であった。以上より、家族性ステロイド感受性ネフローゼ症候群の臨床所見は、散発例と全く違いが認めらず、ステロイド感受性ネフローゼ症候群の発症及び臨床経過には、何らかの常染色体劣性の遺伝的要因に加えて、何らかのepigeneticな要因及び環境因子が関与しているものと考えられた。
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